BigQuery を使用して Gemini Enterprise app の大規模な使用状況を分析および管理する方法
Aishwarya Prabhat
Solutions Acceleration Architect, Google Forge, Google Cloud
Sudipto Guha
Data Analytics & AI Tech Lead, Google Cloud
※この投稿は米国時間 2026 年 7 月 16 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Gemini Enterprise app を組織全体にデプロイすることは、従業員の生産性を飛躍的に向上させる変革の第一歩です。従業員は、エージェント AI ツール、検索グラウンディング アシスタント、NotebookLM などの専用ソリューションで構成される、驚くほど高性能なスイートを利用できるようになります。大規模な導入が進むにつれて、大量のテレメトリーを手作業のオーバーヘッドに悩まされることなく監査および管理して、分析情報を抽出する方法について、管理上の重大な課題に直面することがあります。管理者の成功を支援するため、Google Cloud は、事前計算されたダッシュボードを介して、日々の導入、ユーザー エンゲージメント、アクティブ ユーザーの指標を追跡するための、すぐに使える包括的な分析を提供しています。この方法では、Gemini Enterprise app の使用状況をプロダクト中心の視点から確認できますが、エージェント型 AI の効果を把握するために、組織中心のより詳細な視点から、組織の内部コンテキストに合わせてカスタマイズされた分析が必要になる場合があります。このような場合に Google BigQuery を使用すると、組織全体で詳細なフォレンジックを実行し、エージェント型 AI の導入を分析および管理できるため、管理者にとっての秘密兵器となります。
Gemini Enterprise app と BigQuery がもたらす変革
ログシンクを使用して Gemini Enterprise app を BigQuery で補強すると、少人数の管理チームでも大規模なデプロイを分析および管理できます。具体的には、IT チーム、データチーム、セキュリティ チームが次のことを行えるようになります。
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導入と行動の微妙な違いをプロファイル化: 部門ごとに使用パターンをセグメント化して、カスタム エージェントを構築しているチームを確認し、NotebookLM の利用状況を追跡して、エージェントと従業員の比率を計算します。
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組織における価値を定量化: 会話ログを人事部門や事業部門のデータセットと組み合わせて、従業員が実際に節約した時間を計算し、価値創造を追跡して、経営幹部向けの Looker ダッシュボードを構築します。
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正確なコンプライアンス監査を実施: Google ドライブ フォルダと企業ディレクトリ全体でグラウンディング クエリを監査し、データ漏洩を防止して企業の知的財産を保護します。
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安全に関するアラートを即座に調査: セキュリティ フィルタによりプロンプトにフラグが立てられた場合に、履歴ログをクエリし、Model Armor のブロックをトリガーしたテキストを特定して、コンプライアンス アラートを解決します。
これらのユースケースをサポートするために、テレメトリーは BigQuery の 5 つの異なるログテーブルに分割され、固有のデータフィールドがキャプチャされます。
取り込みパイプラインとアーキテクチャ
スケーリングに対応したオブザーバビリティを実装するために、管理者は自動化されたテレメトリー パイプラインを確立します。Gemini Enterprise のデータを BigQuery に移行する際に、複雑なカスタム ソフトウェアを開発する必要はありません。その代わりに、会話ログには継続的な Cloud Logging ログルーター シンクが利用され、集計シート指標の概要には非同期バッチ エクスポート API が利用されます。
下の図は、取り込みパイプラインと、テレメトリーが BigQuery にマッピングされる方法を示しています。


これが、Gemini Enterprise を BigQuery に接続して、組織の究極の分析とガバナンスの基盤を構築するためのブループリントです。
ルーティング パイプライン: 継続的なロギングと監査シンク
テレメトリーをキャプチャするには、Cloud Logging 内にログシンクを確立して、ランタイム イベントをインターセプトし、BigQuery にルーティングします。
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ストリーミング パイプライン(詳細ログ): 会話データを 1 行ずつストリーミングします(ユーザー プロンプト、モデルの選択、グラウンディング イベント)。Gemini Enterprise 管理コンソールで、プロンプトと回答のロギングが有効になっていることを確認します(使用状況と監査ログの設定を参照)。
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包含フィルタ(
[PROJECT_ID]を Google Cloud プロジェクト ID に置き換えます):
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ガバナンス パイプライン(監査ログ): 管理アクション(管理アクティビティ)とデータプレーンのオペレーション(グラウンディング データコネクタのルックアップなどのデータアクセス)をキャプチャします。
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包含フィルタ(
[PROJECT_ID]を Google Cloud プロジェクト ID に置き換えます):
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管理アクティビティ ログ: デフォルトで常に有効になっています。リソースの変更(カスタム エージェントの作成、更新、削除など)を追跡します。
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データアクセス ログ: デフォルトではオフになっています。チャット中に発生するユーザーレベルでのデータの読み取り / 書き込み操作をログに記録するには、Discovery Engine API の GCP IAM 設定で有効にする必要があります。
BigQuery で高度なインテリジェンスを実現
未加工のテレメトリーを分析情報に変換
BigQuery では、テレメトリーの理解とナビゲーションを容易にする AI 搭載の分析ツールが提供されています。管理者は、Gemini in BigQuery を活用することで、手動で推測することなく、未加工のログストリームを視覚的な分析情報と明確なドキュメントに変換できます。
ノーコードの会話型分析(BigQuery CA)BigQuery の会話型分析(BQ CA)を使用すると、ネストされた JSON スキーマのクエリを簡単に実行できます。BQ CA は BigQuery Studio 内のインテリジェント エージェントとして機能し、スキーマ、ビジネス メタデータ、検証済みのクエリ / UDF にグラウンディングされた SQL を自動的に生成して実行し、指標の一貫性を保ちます。また、生成されたコードとともに「思考プロセス」が提示されるため、管理上の信頼性が高まります。
たとえば、下のスクリーンショットに示すように、「oob_metrics を使用して、NotebookLM、Deep Research、カスタム エージェントの使用状況を比較して」というプロンプトを入力すると、正しい SQL が生成され、クエリが実行されて、結果が数秒で出力されます。


下のスクリーンショットに示すように、BQ CA では、従来のクエリや標準 SQL 生成に加え、ユーザーがコンソール内で高度な AI および ML タスクを直接実行できます。管理者は、これらのネイティブ機能を活用して、ユーザー プロンプトの感情の分類や今後の導入傾向の予測などの高度な分析を実行し、ガバナンス プロセスを合理化できます。


スキーマのドキュメントと分析情報の自動生成
適切な分析情報を抽出するには、useriamprincipal、finish_reason、groundedContent などのテレメトリー フィールドを理解することが非常に重要です。BigQuery では、スキーマのドキュメントの自動生成と AI によるコンテキストにより、このプロセスが簡素化されます。
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自動プロファイリングとメタデータ: Knowledge Catalog のデータ プロファイリングと Gemini を組み合わせることで、元テーブルの一意の値の数、null の割合、データの分布を評価できます。ワンクリックするだけで、データ分析情報により、テーブルとネストされた個々の列の両方に関する記述的なメタデータが生成されます。
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統合データ分析情報: Gemini はこの豊富なコンテキストを活用して、データ資産全体から分析情報を抽出します。単一のテーブル(
gen_ai_user_messageなど)内の異常や安全性の問題を検出するためのクエリを自動的に提案します。データセット レベル(プレビュー版)では、テーブル間の結合パスをマッピングするインタラクティブな関係グラフを生成し、ユーザー アクティビティやモデル出力などのデータを組み合わせてタスクの複雑さを計算するクエリを提案します。 -
エージェントのシームレスなインテグレーションと用語集: テーブルとデータ分析情報が BigQuery Conversational Analytics(BQ CA)エージェントの UI に直接統合されるため、エージェントは拡充されたメタデータと少数ショットの例にすぐにアクセスできます。エージェントがドメイン固有のプロンプトを正確に解釈できるように、BQ CA ではビジネス用語集もサポートされています。エージェント用のカスタム用語を直接定義するか、Knowledge Catalog から既存の用語集をインポートして、標準化された語彙を確立できます。
管理者は、コンプライアンス監査のために、プロファイリング、拡充されたメタデータ、分析情報を活用して、ログに記録されたフィールドをナビゲートし、テレメトリー構造を理解して、データをカタログ化できます。以下のスクリーンショットに示すように、Gemini を活用したスキーマ、説明、関連付けの自動生成により、Gemini Enterprise app でのエージェントのやり取りによって出力される複雑な関係とテレメトリー データを簡単に理解できます。




データポータル ダッシュボードによる可視化
経営幹部クラスのステークホルダー向けには、未加工のログテーブルをインタラクティブで効果の高いビジネス インテリジェンス ダッシュボードに変換できます。データポータルを BigQuery に直接接続することで、次のものをモニタリングするダッシュボードを構築できます。
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ユーザーの導入とシートの費用対効果: 部門別の使用状況の傾向をセグメント化し、従業員数に対する構築されたカスタム エージェント数の比率をハイライト表示します。
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データ グラウンディング トラフィック: SharePoint、Google ドライブ、Gmail など、最も利用率の高いエンタープライズ コネクタをマッピングします。
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コンテンツの安全性と違反: Model Armor のサニタイズ ブロックと感情フィードバック ループを長期にわたって追跡し、安全基準を維持します。
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BQ 会話分析エージェントの共有: データポータルを介して構築した BQ CA エージェントを共有し、ビジネス ユーザーがデータについてさらに質問できるようにします。
Gemini Enterprise app で組織を強化し、BigQuery で管理者を支援
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Gemini Enterprise app をデプロイ: Google AI の最先端機能を、すべての従業員が利用できます。
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プロンプトと回答のロギングを有効化: 管理コンソールでプロンプトと回答のロギングを有効にして、ユーザー アクティビティのテレメトリーの記録を開始します。
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ログルーターのシンクを構成: テレメトリーを BigQuery にストリーミングするシンクを確立します。
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指標を追跡し、分析をエクスポート: コンソールで事前計算されたすぐに使えるダッシュボードにアクセスし、集計統計の履歴をエクスポートします。
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テーブルレベルとデータセットレベルの分析情報を抽出: なじみのないログテーブルを探索し、関係結合パスを自動的に検出します。
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会話型分析でクエリ: データ推論エージェントを構築し、BigQuery Studio 内で自然言語クエリを活用します。
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データポータルによる可視化: データポータルを BigQuery に接続して、経営幹部レベルのダッシュボードを構築し、ビジネス ユーザーが BQCA エージェントにアクセスできるようにします。
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上記の分析設定における費用対効果が最も高く安全な構成については、Google Cloud カスタマー エンジニアにご相談ください。
この記事の基盤となる作業にご協力いただいた Google Forge チーム、特に Vicky Falconer、Dharini Chandrashekhar、Adhaar Gupta に感謝します。
- Aishwarya Prabhat、Google Cloud、Google Forge、ソリューション アクセラレーション アーキテクト
- Sudipto Guha、Google Cloud、データ分析および AI テクニカル リード

