Google Cloud の各種割引について: Kubernetes を活用する組織が費用対効果を高めている 5 つの方法
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2024 年 1 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Kubernetes の導入が進むにつれて、中規模から大規模の環境における費用管理という課題も大きくなっていきます。State of Kubernetes Cost Optimization(Kubernetes の費用最適化の現状)レポートでは、「エリート パフォーマーは、低パフォーマーよりもクラウドの割引を 16.2 倍活用している」という注目すべきトレンドを取り上げています。
このトレンドの理由は多数あると考えられますが、エリート パフォーマーのチームが社内に有する専門知識、大規模クラスタを管理するスキルや経験に加えて、Spot VM や確約利用割引(CUD)といった費用対効果の優先に的を絞った戦略も、その理由に含まれているのかもしれません。今回のブログ投稿では、Google Kubernetes Engine(GKE)上で費用対効果の高い環境を構築するためのベスト プラクティスと、GKE ユーザーが利用できる人気の各種クラウド割引の概要をご紹介します。
1. ワークロードの需要を把握する
自社の GKE 環境に適用するクラウド割引モデルの選定に入る前に、アプリケーションがどの程度のコンピューティング能力を使用しているのかを把握しておく必要があります。そうしなければ、リソースのニーズを過大評価してしまうおそれがあります。これは、リソース リクエストの設定とワークロードのサイズ適正化によって行うことができ、費用の削減と信頼性の向上につながります。または、VerticalPodAutoscaler (VPA)オブジェクトを作成して、Pod のリソースである CPU とメモリの分析と調整を自動化することもできます。なお、VPA の仕組みは有効にする前に必ず理解しておきましょう。VPA は、手動で更新する際のリソースの推奨値を提供することも、Pod におけるリソースの値を推奨値に自動更新するように構成することもできます。
2. GKE Autopilot モードの CUD で最大 45% 節約
GKE Autopilot は、Pod がリクエストするリソースのみの料金が発生するという点で、Kubernetes の費用最適化のイメージを変化させています。しかし、Pod ごとのレベルの確約利用も提供されていることはご存じでしょうか。Kubernetes Engine(Autopilot モード)の確約利用割引を利用すれば、GKE Autopilot の費用を削減できます。Autopilot モードの CUD は 1 年間の確約利用と 3 年間の確約利用に基づいており、それぞれオンデマンド料金に 20% と 45% の割引が適用されます。これらの割引は、1 時間当たりのオンデマンド料金に基づいて米ドルで計算されます。ただし、GKE Standard、Spot Pod、管理手数料には割引が適用されません。
3. フレキシブル CUD で最大 46% 節約
フレキシブル CUD は、確約利用を単一のプロジェクト、リージョン、マシンシリーズに制限する必要がなくなるため、支出機能をより柔軟にできます。フレキシブル CUD を利用すると、1 年間の確約利用の場合には確約した時間あたりの使用額に対して 28% の割引が、3 年間の確約利用の場合には 46% の割引が適用されます。こうした使用額ベースの確約利用では、1 つの Cloud 請求先アカウント内の任意のプロジェクトと任意のリージョンで、対象となる汎用マシンタイプやコンピューティング最適化マシンタイプに対応している vCPU やメモリを使用できます。
4. リソースベースの CUD で最大 70% 節約
GKE Standard については、リソースベースの CUD で 1 年間の確約利用の場合にはオンデマンド料金に最大 37% の割引が適用されます。メモリ最適化ワークロードの 3 年間の確約利用の場合には、最大で 70% の割引が適用されます。GKE Standard の CUD は、メモリと vCPU にのみ適用され、GPU の確約利用では可用性が制限される場合があります。確約利用においてハードウェアを確実に利用できるようにするには、予約が関連付けられている確約利用を購入することをおすすめします。
5. Spot VM で最大 91% 節約
Spot VM は、コンピューティング費用を最大 91% 削減できることを、ここに明言します。Spot VM は、通常のコンピューティング インスタンスと同じマシンタイプ、オプション、パフォーマンスを提供しますが、プリエンプティブル VM であるという性質上、いつでも終了できます。そのため、実行期間が短いステートレスなバッチジョブや、フォールト トレラントなワークロードに最適です。ご利用のアプリケーションがフォールト トレラントである(15 秒以内に正常にシャットダウンでき、インスタンスのプリエンプションが発生する可能性に対応できる)場合、Spot インスタンスを利用して費用を大幅に削減できます。
一方で、CUD もかなりの費用削減をクラウド サービスの利用企業で実現させています。これらの削減額を最大化するために、リソースを戦略的に割り当てるようにしましょう。同時に、ワークロードが適切なサイズであることを確認し、CUD のサイズ適正化をサポートしてくれる最適化ツールを利用しましょう。リソースを効率的に割り当てることで、不要な費用の発生を抑えながら、アプリケーションの安定したパフォーマンスを維持できます。今回の記事でご説明したガイドラインに沿って、クラウド サービスの料金を大幅に節約できる各種割引をぜひご活用ください。
Spot VM を利用すべきケースや、CUD を選ぶべきケースを判断する際は、下のフローチャートをご利用ください。


State of Kubernetes Cost Optimization(Kubernetes の費用最適化の現状)レポートでは、これらすべての手法を詳しく説明しています。ぜひご一読ください。また、このレポートをもとに執筆された以下のブログの記事でも、レポートの知見を掘り下げてお伝えしています。
- リソース リクエストの設定: Kubernetes の費用最適化への鍵
- 信頼性を最大化し、費用を最小化する: Kubernetes ワークロードのサイズ適正化
- ユーザー エクスペリエンスを損なうことなく Kubernetes の費用最適化に取り組む方法
- 新しい Policy Controller ポリシー バンドルで Kubernetes の費用対効果と信頼性を向上
-ソリューション アーキテクト Ameenah Burhan
