GKE で Ray Serve LLM をスケーリング: デベロッパー エクスペリエンスを損なうことなくパフォーマンスを向上
Spencer Peterson
Software Engineer, Google
Seiji Eicher
Software Engineer, Anyscale
※この投稿は米国時間 2026 年 6 月 19 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
LLM 推論とモデル サービングを求めるデベロッパーは、Anyscale が構築した、デベロッパーに優しい Python ネイティブの API を備えたスケーラブルなモデル サービング ライブラリである Ray Serve をよく利用します。デベロッパーは、Google Kubernetes Engine(GKE)と組み合わせることで、初期のモデル開発からオンラインの本番環境でのサービングまで、要求の厳しい LLM サービングのユースケース向けに最適化された強力な統合プラットフォームを利用できます。
この柔軟性と機能セットは、以前はパフォーマンスの低下を伴うものでした。しかし現在は、Anyscale とのパートナーシップにより、Ray Serve で最大 5 倍高いスループットと 8 分の 1 のレイテンシを実現しており、使いやすさを犠牲にすることなく、最先端の分散推論の高まる需要と厳格なパフォーマンス要件を満たしています。
ボトルネックなしで推論をスケーリング
共同エンジニアリング パートナーシップを通じて、Ray Serve LLM のパフォーマンス特性を大幅に向上させる 3 つの主要なアーキテクチャ最適化手法を導入しています。
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Ray Serve HAProxy インテグレーション: Ray Serve に HAProxy が組み込まれ、内部リクエストのルーティングとロード バランシングを管理できるようになりました。このセットアップにより、プロキシのオーバーヘッドが大幅に削減され、トラフィックが多い場合でも Python ランタイムが飽和状態になるのを防ぐことができます。
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直接トークン ストリーミング アーキテクチャ: このアーキテクチャでは、初期リクエスト パスと戻りストリームが分離されます。トークンは個々のモデルレプリカからプロキシに直接ストリーミングされ、ストリーミング データパスの Ingress ルーターを完全にバイパスしてレイテンシを短縮します。
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vLLM 用の v2 Ray エグゼキュータ バックエンド: vLLM 用に改良された Ray バックエンドは、Ray をデータプレーンから移動して非同期スケジューリングを可能にします。これにより、コードパスがネイティブの vLLM エグゼキュータと統合され、パフォーマンスのギャップが解消され、Ray ユーザーが最新のエンジンレベルの最適化を利用できるようになります。
GKE でのパフォーマンスのベンチマーク
また、Anyscale と協力して、NVIDIA HGX B200 システムを搭載した Google Cloud A4 VM など、次世代 AI ハードウェアを利用する GKE クラスタで、更新された Ray Serve LLM のベンチマークを実施しました。オーケストレーションとルーティングによって生じるボトルネックを特定するために、小規模で効率的なモデルである Gemma 4 E2B を実行することにしました。ベンチマークでは、新しい Ray Serve LLM を以前のパフォーマンスと比較したほか、Ray エグゼキュータを使用したプレーンな vLLM セットアップとも比較しました。
これらの技術的強化により、パフォーマンスに大きな影響がもたらされ、以前の Ray Serve 構成と比較して、スループットが最大 5 倍高く、レイテンシが 8 分の 1 になっています。
改善された Ray Serve LLM は、8 つのレプリカを持つサービング クラスタで目覚ましい改善を実証し、以前のパフォーマンスをはるかに上回るスケーリング パターンと、vLLM をネイティブに実行した場合と同等のパフォーマンスを示しましたが、Ray がもたらす柔軟性はありませんでした。


同時ユーザー数が増加するなかで、Ray は 99 パーセンタイルの最初のトークンまでの時間を短く維持しながら、スループットをスケールアップできるようになりました。これは以前は難しかったことです。今では、LLM の実務担当者が、Kubernetes で本番環境レベルのパフォーマンスを実現するために、Ray の豊富な機能とエコシステムを犠牲にする必要はなくなりました。
Ray Serve に GKE を選ぶ理由
GKE は、これらのソフトウェアの最適化を最大限に活かすための基盤となるインフラストラクチャを提供します。GKE 用の Ray オペレーター アドオンを使用すると、自動水平スケーリング、モニタリング、マルチクラスタ スケーリング、組み込みのフォールト トレランスなど、Google Cloud AI アクセラレータ全体でターンキー デプロイが実現します。GKE は、分散された物理ハードウェアのオーケストレーションの複雑な部分を抽象化するため、チームは Ray を使用してモデルとアプリケーション ロジックの改良に集中できます。
GKE で Ray Serve LLM を試す
デベロッパーの皆様には、最新の Ray リリース(2.56 以降)でこれらの機能強化を試して、GKE での高パフォーマンス LLM サービングの未来を体験することをおすすめします。
詳細については、以下のリソースをご確認ください。
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Anyscale の新しい記事: High Performance Distributed Inference with Ray Serve LLM
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マルチクラスタ Ray Serve と GKE Inference Gateway を使用して LLM をサービングする
- Google、ソフトウェア エンジニア、Spencer Peterson
- Anyscale、ソフトウェア エンジニア、Seiji Eicher 氏

