エンタープライズのハイブリッド業務への移行を簡単にする Chrome の機能

Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 6 月 2 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
この 1 年は日常生活の面でも仕事の面でも大変な年でした。つい先日、私は Pew Research による新しい調査結果を目にしました。その調査によれば、人々の 71% が現在在宅で勤務しており、従業員の 50% は最低でも週に 3 日は引き続き在宅で勤務することを希望しています。つまり、半数を超える人々が、週の半分以上についてリモートでの作業を希望していることになります。
Google でも、オフィスに戻る計画を進めていますが、従来よりも明確になったことが 1 つあります。ブラウザは単なるインターネットへの入り口ではなく、技術スタックの最も重要なコンポーネントだということです。そして、そう考えているのは Google だけではありません。Google と同じようにあらゆる規模の組織がよりハイブリッドな働き方に移行しつつある今、管理者とエンドユーザーの両方をサポートするよう設計された最新のブラウザの使用は不可欠です。
Chrome は文字どおり、そのためのブラウザです。柔軟な作業を行えるように設計されています。そして、将来の方向性が明らかになり、ビジネス上のニーズが進化し続けるのに合わせて、さらに管理しやすく、より安全でもっと便利な、すべての人の生産性向上を助けるブラウザにするために Google は取り組み続けています。
Chrome の将来
Chrome がエンタープライズ向けのより強力なアセットとなるよう、Google は Chrome の設計と構築において次の点を重視しています。
シンプルな管理
セキュリティのモダナイゼーション
生産性の向上
有用な統合
Google はこれら 4 つの分野すべてにおいて大きな進展を遂げており、今後はより魅力的なリリースを予定しています。Chrome で現在利用可能な新機能、今後リリース予定の機能、そしてそれぞれの機能が Chrome ブラウザを使用する企業(と、そのユーザー)の将来においてどのように役立つかについてご説明します。
シンプルな管理については、多くの魅力的な開発がなされました。Chrome ブラウザ クラウド管理は、ハイブリッド化が進む昨今の状況に対応して登場しました。IT チームはクラウドとオンプレミスの両方で強力かつ柔軟な管理能力を活用できるようになり、常に可視性を確保して必要な分析情報に基づいた的確な決定を迅速に行えます。
最新リリースで使用可能になった管理者向け機能
Chrome のすべてのバージョンを 1 か所から追跡。Google の新しい日次バージョン レポート機能により、IT チームはマイナー バージョンを含めてすべてのバージョンを単一のレポートで確認できます。コンプライアンス維持のサポートに役立つほか、デプロイメント全体を簡単に見通した管理が可能になります。
組織全体のアプリと拡張機能についてのレポート。新しい「アプリと拡張機能の使用状況レポート」で、インストールされているすべての拡張機能、プログレッシブ ウェブアプリ(PWA)、Chrome アプリ、Android アプリの可視性を提供します。各アプリのバージョンと権限を確認でき、レポートから直接自動インストールやブロックを行うこともできます。
リモートによる閲覧データのトラブルシューティングとクリア。私の気に入っている機能の一つです。非常に役に立つ機能で、お客様からのご要望により作られたものです。管理者(と、多くのサービスデスク担当者)から、エンドユーザーの閲覧データ、Cookie、キャッシュをリモートでクリアできれば非常に便利であるという指摘を受け、Google のチームはその機能を実現しました。
拡張機能の管理の改善。この夏にリリース予定の機能である「拡張機能のリクエスト ワークフロー」は、エンドユーザーがリクエストした拡張機能に対し、管理者が管理コンソールを使用して、一元管理されたリストでインストールを承認または拒否するよう、管理者が Chrome ウェブストアの動作を変更できるようにするものです。リリース予定の別の機能としては「拡張機能の詳細」もあります。これによって管理者はどの拡張機能がどこにインストールされるのか、誰がその拡張機能を作成したのか、どのリソースを使用するか、その他拡張機能に関するすべての詳細を、管理コンソールから直接確認できます。
Google の優先事項の中でも、セキュリティのモダナイゼーションは多くの場合、喫緊の課題です。最新のセキュリティ レポートでは、米国および英国の従業員の 65% が COVID-19(新型コロナウイルス感染症)によるリモート作業期間内にフィッシング メールを受け取ったと回答しています。さらに、Ponemon Institute による調査では、回答した組織の 41% が従業員のパスワード侵害に関係する攻撃を受け、組織あたり平均 $267,408 の損失を受けています。新しい脅威の絶え間ない出現とモバイルを対象にした攻撃の増加に直面する中で、新しい働き方のためにはセキュリティへの斬新なアプローチが必要なことは明らかです。
BeyondCorp Enterprise は Google の新しい現代的なゼロトラスト ソリューションで、統合された脅威およびデータ保護機能を使用して、重要なアプリやサービスへ安全にアクセスできます。この機能は 2021 年 1 月にリリースされたもので、すべて Chrome ブラウザから使用できます。エージェントレス手法を採用しているため、管理者やエンドユーザーのエクスペリエンスが簡素化されます。また、最近 BeyondCorp Enterprise 保護プロファイルをリリースしました。これを利用することで、組織は請負業者、フロントライン ワーカーなどの外部人材に加え、在宅勤務で共有デバイスまたは非マネージド デバイスから企業のリソースに安全なアクセスを必要とするすべてのユーザーを保護できます。
セキュリティのモダナイゼーションに対する Google のアプローチについて詳しくは、Wall Street Journal で明日 10:35 am から 10:55 am(EST)で開催される「Advancing Security in the New Business Environment」(新しいビジネス環境におけるセキュリティの発展)イベントをご覧ください。このイベントには Parisa Tabriz(Chrome Engineering のプロダクト管理および UX 責任者)と Phil Venables(Google Cloud の CISO)が出演します。
生産性の向上については、場所を問わずユーザーの作業をサポートする機能を Google が一貫してリリースし続けていることをお伝えしたいと思います。今日では、日常業務の大部分がブラウザで行われるようになってきているため、時間を節約し、場所が離れていても共同で作業を行えるようにするための新しい方法を作り上げることは、これまで以上に重要です。
最近リリースされた、生産性を向上させる機能には次のものがあります。
アドレスバーから直接かつ迅速に操作を行う方法。Chrome アクションは Google が去年リリースした機能で、「閲覧履歴の消去」や「シークレット ウィンドウを開く」などのコマンドを入力して、数回のクリック操作だけで作業を開始できるものです。このたび Chrome アクションの新バージョンが Beta チャンネルで利用可能になりました。「Run Chrome safety check」、「Create doc」、「Manage Google Account」のいずれかをお試しください。
ハイライト表示されたテキストへの直接リンク。記事やウェブサイトからの抜粋や引用を同僚と共有できます。アドレスバーから URL リンクを共有するだけでなく、Chrome の新しい「ハイライト表示されたテキストへのリンク」機能を使用し、特定のコンテンツについて教えることが可能になりました。共有するコンテンツを選んで右クリックし、[選択箇所へのリンクをコピー] を選択してリンクを送信すれば、ページの特定の部分を指定して同僚に渡すことができます。現在のところパソコンと Android で使用でき、iOS でも近日中にリリース予定です。
Chrome の CPU 使用の削減。バッテリー駆動時間が長くなり、デバイスの発熱やファンの騒音も小さくなります。? ??
他にもさまざまな機能があります。生産性向上に役立つ他の機能については、こちらのブログ投稿をご覧ください。
Google が注力している 4 つ目の分野は、Chrome のお客様にとって有用な統合をさらに充実することです。Google は、Chrome に統合と便利なツールを組み入れ、Chrome 全体でよりシームレスかつ生産的な環境を作り上げるため、各界をリードする組織と積極的に提携しています。今年中にさらに多くの情報をお伝えできる予定ですので、ご期待ください。さしあたっては、Modern Computing Alliance のパートナーである Box、HP、RingCentral、Okta、VMware などの声をお聞きください。これらのパートナーはオフィスへの復帰についての最も重要な疑問の多くを調査しています。
Google が常に考えているのは、オフィスでの勤務再開にあたって人々と組織が適応して成功できるよう支援することです。御社のチームがハイブリッドへの移行を簡単に行う方法について、Google のチームが開催した 3 つのイベントをぜひビデオでご覧ください。
Wall Street Journal の「Advancing Security in the New Business Environment」(新しいビジネス環境におけるセキュリティの発展)イベントで行われた「Modernizing Your Approach to Security 」(セキュリティ手法のモダナイゼーション)セッション
Chrome Insider: IT 管理者向けのブラウザのヒントとアドバイス
-Chrome グループ プロダクト マネージャー RK Popkin