Future Mode パート 2: エージェント型ブラウジングを保護するための基盤

Mark Berschadski
Director, Product Management, Chrome Enterprise & Security
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Get in touch※この投稿は米国時間 2026 年 8 月 5 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: Future Mode シリーズでは、Chrome Enterprise のブラウザにおける AI について、どのような取り組みが行われているかを企業向けにご説明します。このシリーズの今後のブログ記事にもご期待ください。
Future Mode パート 2: エージェント型ブラウジングを保護するための基盤
現在の自律型 AI エージェントは、メールの草案を作成するだけのものではありません。ユーザーに代わって SaaS アプリケーションを操作し、複数のタブにわたるデータを統合し、複数のステップからなるタスクを完了できます。企業の業務の大部分は依然としてウェブ上で行われているため、ブラウザがこれらの自律型ワークフローの主要な運用基盤となるのは当然のことです。
しかし、これによって IT リーダーは重要な責務を負うことになります。つまり、人間の行動と自動化された実行の境界が曖昧になる中、組織はユーザーとエージェントの両方を対象とした堅牢なデータ保護を導入する必要があります。AI エージェントが従業員に代わって動的に行動する場合、ユーザーの ID と企業データの両方を保護しなければなりません。Google は、効率的なワークフローについて検討する際、ブラウザを、従業員とエージェントが連携するための最も簡単かつ安全な場所の一つとして見ています。このブログ記事では、エージェントの時代に向けて、Chrome Enterprise がセキュリティをどのように進化させているかを見ていきます。
ブラウザの利点
ブラウザは、従業員の就業日 1 日のコンテキストを保持しているため、この次世代の生産性ワークフローを支えることができる独自の位置付けにあります。従業員が Chrome にログインした段階で、組織が設定したアクセス要件とポリシー要件がすでに適用されています。従業員が自動ブラウジングなどのタスク自動化機能を使用するとき、Chrome は、共有タブ、開いているドキュメント、従業員が現在使用している SaaS アプリケーションを把握しています。従業員のエージェント ワークフローをブラウザ内に固定することで、リアルタイムで状況を認識し、企業 ID を利用できるというメリットがあります。
例をいくつか見てみましょう。あるエージェントは、職業ネットワーキング サイトの公開プロフィールをスキャンし、ウェブベースの応募者追跡システムで候補者ファイルを自動的に作成することで、採用担当者向けに優秀な人材を集めることができます。また、財務チームと運用チームは、ブラウザベースのエージェントを複数の請求プラットフォームに安全にログインさせ、PDF 請求書の取得と照合を実行させることで、毎月のベンダー管理に必要な手間のかかる「ポータル ホッピング」を軽減できます。
Chrome Enterprise のエンタープライズ グレードの制御力
AI エージェントで従業員を支援する場合、セキュリティと自動化のバランスを取る必要があります。エージェントが複数の企業 CRM、社内クラウド ドキュメント、公開ウェブアプリの間を移動して情報を統合する際、新しい複雑な攻撃ベクトルが生まれ、データ漏洩の危険をもたらします。
Chrome Enterprise Premium は、高度なデータ損失防止(DLP)をブラウザ ワークスペースに直接組み込みます。これにより、IT チームとセキュリティ チームは、リスクの高いユーザー操作と同様に、エージェントの動作に厳格なデータ ガバナンスを適用できます。
- Chrome Enterprise Premium は、複数の防御層にわたってエージェント データフローをリアルタイムで検査します。組み込みの DLP ポリシーにより、機密性の高い IP、PII、財務データを公開 LLM に転送する不正な試みがブロックされる一方、包括的な拡張機能制御により、権限を管理し、リスクシグナルを明らかにして、不正な DOM スクレイピングを防止できます。
- このブラウザは、コンテキストアウェア アクセス制御をユーザーからエージェント アクティビティに拡張します。従業員が特定のデータにアクセスまたは特定のデータをエクスポートする権限を持っていない場合、AI エージェントも同様の権限を持ちません。
進化し続けるブラウザのセキュリティ
Chrome については、ウェブの安全性を高めてきた長い歴史を基盤に、エージェントとの安全な連携を実現するためのさまざまな取り組みを行っています。Google は、この新時代に IT リーダーが必要とする可視性をもたらすための機能を積極的にリリースしています。たとえば、今年初めにも、同様の拡張機能の可視化機能をリリースしています。これにより、組織はソフトウェア エージェントが機密データにアクセスし、これらのデータを処理する方法を詳細に把握できます。また、他にも多くの企業向けガードレールを開発中です。
Google は、これらの保護をエージェントによるブラウジングに拡張するにあたり、以下の 3 つの主要な柱を土台とする堅牢な多層アーキテクチャを設計しました。その目的は、間接プロンプト インジェクションなどの新たな脅威からユーザーとエージェントの両方を保護することです。
- Google DeepMind の CaMeL 研究から部分的に着想を得た User Alignment Critic は、Chrome の自動ブラウジングに導入された、信頼性の高い分離型システムモデルであり、安全なゲートキーパーとして機能します。提案されたアクションのメタデータのみを分析し、それがユーザーの本来の目標と一致していることを確認します。インジェクション攻撃によってエージェントが乗っ取られそうになった場合、User Alignment Critic が即座にそのアクションを拒否します。
- サイト分離は Chrome のセキュリティの基盤です。Google は、アーキテクチャ面からエージェントの活動範囲を当面のタスクに厳密に関連するオリジンに制限することで、サイト分離を拡張しています。ブラウザは、侵害されたエージェントによる、ログイン済みの無関係なサイトでの勝手な操作を防止します。
- 動作中のエージェントは、ロジックそのものをブラウザタブの作業ログに記録します。これにより、従業員はいつでも作業に介入し、常に状況を把握できます。たとえば、Chrome の自動ブラウジングを、契約の締結、金融取引の実行、一斉メールの送信など、重要な局面で意図的に停止させることができます。Chrome は、重大なアクションを実行する前に人間の明示的な承認を求める、強制適用メカニズムとして機能します。従業員は、Chrome 履歴からエージェントのアクションを確認することもできます。エージェントがナビゲートしたバックグラウンド ページは、エージェントのアクションとして明示的にタグ付けされます。
「透明性のある人間中心の AI アシスタンス」というこの理念は、Gemini Spark を含む、より広範な Google エコシステムのイノベーションを推進する要因でもあります。Gemini Spark のエクスペリエンスをさらに強化するため、Chrome との新しい直接統合をリリースしたところです。
エージェント セキュリティへの取り組みと今後の展望
Google は、防御を万全にするため、自動化された ML レッドチーム システムを導入し、擬似的な脅威に対して Chrome を継続的にテストしています。また、脆弱性報奨金プログラム(VRP)を拡大して Chrome のエージェント機能を対象に含め、エージェントのセキュリティ境界で検証済みの侵害を特定した研究者には最大 20,000 ドルを供与しています。
未来の生産性を高めるには、安全かつシームレスな連携が欠かせません。ブラウザ分離の基本原則を拡張し、基本的な可視性制御を導入し、エージェント ワークフローに DLP を組み込むことで、Chrome Enterprise を利用する企業が、セキュリティ、可視性、制御を犠牲にすることなく、AI による次世代の生産性を獲得できるようになります。その結果として、企業による安全なイノベーションの推進が実現します。
- Chrome Enterprise、プロダクト管理ディレクター、Mark Berschadski



