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Chrome Enterprise

リモートワークの普及とデータ セキュリティに対する意識の高まりを受けて CloudReady と Chrome OS を選択した ABN AMRO

2022年1月13日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 1 月 5 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: 本日の投稿は、オランダの金融サービス企業、ABN AMRO で APAC 担当 CTO を務める Markus Hap 氏と、APAC 担当副 CTO 兼技術責任者を務める Joost van Doorn 氏によるものです。シンガポールを拠点とする ABN AMRO のアジア太平洋地域チームでは、Chrome OS と CloudReady を導入することにより、クラウド上で安全に業務を行える環境が実現するとともに、総所有コストの削減にも成功し、従業員が自らの働き方を柔軟に選択できるようになりました。

金融機関が新しいテクノロジーを導入する際、とりわけ従業員がクラウド上で業務を行うためのテクノロジーを導入する際には、格別の注意を払う必要があります。顧客データの安全性を確保し、会社をサイバー攻撃から守るだけでなく、リモートワークが急激に普及した現在の状況においても、従業員が常にモバイル環境で作業できるようにすることを考慮しなければならないからです。その点、私たちが選んだ Chrome OS と CloudReady 搭載のノートパソコンは申し分ありませんでした。従業員がデバイスを自宅に持ち帰ってリモートワークを行っている間も財務データを確実に保護できるからです。

企業にとってはノートパソコン上にデータを残さない方が安全

アジア太平洋地域チームに所属する従業員の大部分は法人や機関投資家のお客様と取引を行っています。また、アジア太平洋地域の規制だけでなく、ABN AMRO の本拠地である欧州、さらにはオランダのデータ プライバシー規制とセキュリティ規制も遵守する必要があります。これらの規制をすべて考え合わせると、最も厳しい要件を満せるソリューションを目指さなければなりません。

ソフトウェアとデータをローカルに保存する Windows ノートパソコンからの脱却を私たちが検討し始めたのは 2019 年のことでした。簡単に言うと、従業員のデバイス上にデータを置いておきたくなかったのです。当時は、従業員がノートパソコンを紛失した場合、銀行全体もデータを失いかねませんでした。また、デバイスは暗号化されていたものの、従業員のパスワード情報とともにノートパソコンが盗まれる懸念もありました。私たちは金融機関である以上、あらゆるシナリオを想定しておかなければならないのです。

そこで、各地域の CISO が協議してセキュリティ要件の擦り合わせとソリューションのテストを行いました。そして、Google の協力のおかげで、セキュリティ上のすべての問題点を解決することができました。

Windows ノートパソコンにはスピードの問題もありました。ABN AMRO のデータセンターが置かれているアムステルダム本社は、アジア太平洋地域のオフィスから 1 万 km 以上も離れています。本国のデータセンターへの接続はきわめて遅いものでしたが、当時はまだ金融業界におけるクラウド導入が始まったばかりの頃でした。私たちはできるだけ早期にクラウドへの移行を実現したいと考えていました。データ転送を高速化するとともに、大量のデータをノートパソコンに保存して持ち運ぶことにより生じるデータ セキュリティ上の懸念を払拭したかったからです。

クラウド上で業務を行い、安全かつ高速なデータ転送を実現するという複数の課題を同時に解決してくれたのは、Chromium をベースとするオペレーティング システム、CloudReady でした。私たちは、アジア太平洋地域チームの従業員用ノートパソコン約 350 台に CloudReady を導入し、すべてのデバイスを管理できるよう Chrome Enterprise Upgrade ライセンスを取得しました。現在では、IT 部門からお客様と直接やり取りする顧客関係管理部門に至るまで、すべての従業員が CloudReady を搭載したノートパソコンを使用しています。

既存の保有デバイスを Chrome OS デバイスに移行するにあたっては、Chrome Enterprise パートナーである GSA Private Limited の全面的な支援を受けることができました。その結果、システム全体の統合性が高まり、異なるエンドポイント間で安全に業務を行える環境が実現しました。

サポートの負担が減り、コストが低減

多くの従業員がすでに CloudReady を搭載したノートパソコンを使用していたこともあり、急遽 2020 年 3 月に決定されたリモートワークへの移行にもスムーズに対応することができました。当然ながら私たちが最初に考えたことは、どうすれば従業員が在宅勤務を行っている間もセキュリティ管理を継続できるか、ということでした。

幸いにも、CloudReady デバイスを使用する従業員たちのエンドユーザー エクスペリエンスはきわめて良好でした。Gmail などの Google Workspace アプリを使い慣れているユーザーであれば、CloudReady のシンプルなユーザー インターフェースもすぐに使いこなせます。また、IT 部門側で、従業員が業務で必要とするアプリとリンクだけを表示するように設定することで、Chrome ブラウザ画面をすっきりと整理できます。さらに、クラウド アプリケーションを利用すれば、1 万 km 以上離れた場所からデータを取得するよりも、はるかにすばやく業務を進めることができます。

幸いにも、CloudReady デバイスを使用する従業員たちのエンドユーザー エクスペリエンスはきわめて良好でした。Gmail などの Google Workspace アプリを使い慣れているユーザーであれば、CloudReady のシンプルなユーザー インターフェースもすぐに使いこなせます。また、IT 部門側で、従業員が業務で必要とするアプリとリンクだけを表示するように設定することで、Chrome ブラウザ画面をすっきりと整理できます。

トラブル チケットの数は Windows ノートパソコンを使用していたときよりもはるかに少なくなり、従業員から報告された問題の解決までに要する時間も大幅に短縮されました。サポートという頭痛の種が減り、セキュリティが大幅に強化されたことを考えると、CloudReady ノートパソコンの総所有コストは以前に比べて 15% ほど低減しています。

CloudReady を導入したことで、以前とは比べものにならないほど安心感も高まりました。CloudReady は金融関連のさまざまな規制に準拠しており、顧客データがクラウド上に保管されるため、ノートパソコンの置き忘れや紛失のたびに大騒ぎとなることはなくなりました。

CloudReady と Chrome Enterprise Upgrade は本質的に誰もが簡単に使えるものでした。以前に使用していた Windows ノートパソコンのメンテナンスやトラブルシューティングがどれほど煩雑だったかを想像してみてください。当時は、従業員がノートパソコンを会社に持参し、IT 担当者がソフトウェアを再インストールしている間、デバイスを数時間にわたって使用することができませんでした。

CloudReady で従業員のオフィス復帰が容易に

今では CloudReady を使うことで、問題をリモートで解決できます。その結果、サポートを受けるためにわざわざ出社する必要がなくなり、多くの従業員が抱えていたワーク ライフ バランス問題の一部が解消されました。また当社では、在宅勤務にメリットを感じる従業員が増えている現実を受け、ハイブリッドな働き方を取り入れ始めています。従業員が望む場所でフレキシブルに働けるようにサポートできることを私たちは嬉しく感じています。

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- ABN AMRO APAC 担当 CTO Markus Hap 氏

- ABN AMRO APAC 担当副 CTO 兼技術責任者 Joost van Doorn 氏

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