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Chrome Enterprise

AI を活用したエンタープライズ検索機能とエンタープライズ ブラウザ保護機能を Chrome において拡張

2025年5月2日
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Mark Berschadski

Director, Product Management, Chrome Enterprise

Robert Shield

Engineering Director, Chrome Enterprise

※この投稿は米国時間 2025 年 4 月 11 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

ウェブブラウザは、私たちの働き方を左右する中核的な要素になってきました。AI によって業務の進め方を変える新たな可能性がもたらされるなか、サイバー脅威やインサイダー リスクは高まり続けており、企業が自社データを保護することはこれまで以上に困難になっています。依然としてブラウザは有益かつ安全な AI を導入する場所として最適であり、Google はウェブ上で多くの作業を行う従業員の保護を強化する取り組みを続けています。

今週の Google Cloud Next で、Google は Chrome Enterprise サービス ポートフォリオのアップデートをいくつか発表します。これらのアップデートは、IT チームとセキュリティ チームに必要な制御と可視性をもたらし、セキュリティと脅威インテリジェンスを新たなレベルへと引き上げるものです。また、従業員の生産性向上のための機能も強化されます。

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Google Agentspace で AI 搭載のエンタープライズ検索を Chrome に導入

企業がビジネス ワークフローの効率化、従業員によるコンテンツの作成と反復処理の迅速化、バックエンド プロセスの改善に向けて AI に投資する中、ブラウザが提供する簡単で直感的なプラットフォームは、人々の働き方を最適化するのに役立ちます。Chrome Enterprise は、AI ツールとワークフローを安全に使い始めるのに最適です。なぜなら、IT チームとセキュリティ チームは、AI テクノロジーの利用方法、サービスで許可するデータの種類などを常に制御できるからです。

Agentspace に備わっている Google のマルチモーダル検索機能を使用すると、データがどこにどのように保存されているかを意識することなく、必要なデータを検索できます。求める情報が一般的な業務アプリ(Google Workspace など)、サードパーティ アプリ(Microsoft 365、Jira、Salesforce、ServiceNow など)、またはウェブ上のコンテンツのいずれに存在するかにかかわらず、Agentspace はサイロを解消し、組織のコンテキストを理解します。こうして、まとまりのないコンテンツを実用的な知識に変換し、生産性を高めます。

Cloud Next で、Google は Agentspace と Chrome Enterprise のインテグレーションを発表しました。これにより、従業員は Chrome で直接 Agentspace の統合検索機能を利用できるようになります。Agentspace が Chrome に直接組み込まれるので、従業員は既存のワークフロー内でデータやリソースなどの情報を簡単かつ安全に見つけられます。すでに何億ものビジネス ユーザーが Chrome を使って仕事をしています。Agentspace の機能を Chrome に組み込むことで、従業員は既存のワークフローを維持しつつ、コンテキストに即した提案、社内ドキュメント、外部サイトなど、業務の迅速な遂行に必要な情報に安全、確実、簡単にアクセスできます。

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Agentspace での AI による内部検索結果に Chrome で直接アクセス

より高度でセキュアな企業向けブラウジング

AI は新たな可能性をもたらしますが、それを支えているのは、企業データの安全を守る保護機能であるということを企業は認識しておく必要があります。従業員は、勤務時間の大半をブラウザでの作業に費やし、無数の潜在的な脅威にさらされています。そのため、Chrome Enterprise はエンドポイント セキュリティにおいて引き続き重要な役割を果たします。Chrome Enterprise Premium には、リスクのさらなる低減とデータ損失の防止に役立つ Google において最も高度なセキュリティ機能が備わっています。

企業は引き続き、Chrome のシンプルで効果的なデータ保護のメリットを享受できます。すでに提供されている便利な透かし、スクリーンショットのブロック、コピー、貼り付け、アップロード、ダウンロード、印刷の制御に加えて、Chrome Enterprise Premium はデータ マスキングに対応するようになりました。データをマスキングすると、セキュリティ チームは秘匿化したい機密データを特定して(またはユーザーにリクエストさせて)、データ漏洩を防止できます。

さらに、コピーと貼り付けの制御、URL フィルタリング、SaaS アプリへのコンテキストアウェア アクセスなど、企業向けの主要なブラウジング保護機能を Android を皮切りにモバイル プラットフォームに拡張しています。これらの機能はデスクトップ版 Chrome の保護に役立っていますが、この新たなレベルの保護が Android に導入されることで、外出中のナレッジ ワーカーや、仕事で個人の Android スマートフォンやタブレットを使用する従業員も、セキュアな企業向けブラウジングを利用できるようになります。

Google Threat Intelligence のメリット

Google のセキュリティを大きな基盤とする Chrome Enterprise は、ブラウザとその他の脅威インテリジェンス ツールの両方の強力なインテリジェンスを活用できるという、他にはない機会を組織に提供します。

Chrome Enterprise Premium の新しい従業員フィッシング保護機能は、Google セーフ ブラウジングのパワーとスケールを活用して、認証情報を取得しようとする偽のサイトやポータルから従業員を保護します。企業は独自のブランド資産や企業資産を構成して、セーフ ブラウジングの Web Risk ツールに追加することで、内部ドメインで偽装された巧妙なフィッシング攻撃の試みを特定し、何も知らない従業員を保護できます。このフィッシング検出を支えるのは、世界中の 50 億台のデバイスを毎日保護しているのと同様の、AI を活用した貴重なセキュリティです。

新たに発表された Google Unified Security ソリューションの一環として、脅威の検出と修復措置を強化するために、Chrome Enterprise のブラウザ テレメトリーとブラウザ アセットのコンテキストが Google Security Operations に統合されます。企業は、新しい高度なセーフ ブラウジングのコンテキストや、ユーザー アクティビティ(ナビゲーションやファイル転送など)の詳細ログを含め、Google Threat Intelligence で強化された充実したセキュリティ テレメトリーにアクセスできます。そのため、企業は、リスクをより明確に把握できる整理されたダッシュボード、悪意のある拡張機能やデータの引き出しなどの脅威の検出、SecOps 内で直接実行できる合理化された修復ハンドブックを通じて、セキュリティの成果を向上させることができます。

シンプルな制御でシームレスに管理

さらに、IT チームは Chrome Enterprise Core の改良された機能も利用できます。Chrome Enterprise Core ではすでに、AI 機能やブラウザのバージョンの制御などのポリシーを簡単に設定し、組織内のブラウザ全体に適用できる機能が提供されています。新たに追加された概要ページでは、シンプルな 1 つのビューにおいてレポートや可視化されたデータを提供しています。また、管理者向けの主要なアクション アイテムも提案されるため、迅速な対応が可能になり、利用可能な最新機能についての情報を入手できます。

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IT チームとセキュリティ チームは、1 つのビューで企業のブラウザ管理を簡素化できる

Chrome Enterprise は、企業向けの拡張機能管理向上にも引き続き投資しています。今年初めに新しい企業向けウェブストアをリリースしたのに続き、この企業向けウェブストアの新しい検索ページを追加しました。これにより、企業向け拡張機能の分類と場所の確認がさらに簡単になりました。カスタマイズと構成の追加機能は、年内に利用可能になる予定です。

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新しい Chrome Enterprise ウェブストアでは企業による拡張機能の管理とカスタマイズが可能

ソリューション エコシステムのサポート

企業環境は複雑であり、多くの場合、組織はその環境内でさまざまなソリューションを柔軟に使用したいと考えています。Chrome は、企業がシームレスな相互運用性を活用できるよう支援しており、テクノロジーの完全なエコシステムを継続してサポートしています。Chrome Enterprise では、安全なアクセスに対する企業のニーズに応えるために、新しい Universal Enrollment Connector もリリースします。ID プロバイダはこれを使って Chrome シグナルを統合し、企業リソース全体のアクセス制御をサポートできます。また、組織は新しいユニバーサル OIDC コネクタを使用して、管理対象の Chrome プロファイルへのシームレスな登録を可能にすることができます。これにより、従業員は権限に基づいて適切なアプリやデータに簡単かつ安全にアクセスできるようになります。この新しいコネクタは、自社環境で Entra ID を使用しているお客様をサポートします。この取り組みは、Okta、Ping、Cisco Duo との既存の統合に加えて行われます。

セキュアな企業向けブラウジングも、他のセキュリティ エコシステム テクノロジーと組み合わせることができます。Chrome Enterprise と Cisco Secure Access(SSE)ソリューション、Zscaler Zero Trust Exchange プラットフォームとの新たな統合により、ゼロトラストのプライベート アクセスが可能になります。

さらに、Chrome Enterprise と Crowdstrike も統合の拡大を続けています。双方のお客様は、Chrome から Crowdstrike の SIEM テクノロジーに直接セキュリティ イベントのレポートを統合できるため、セキュリティ モニタリングとインシデントの調査に役立つ貴重な追加データを入手できます。

Chrome Enterprise が、MacOS 上の Chrome プロファイルのシングル サインオンに対応するようになり、Mac を使用している従業員に、より簡単に保護を適用できるようになりました。これらの新しい統合により、さまざまなオペレーティング システムと ID プロバイダを使用している企業は、Chrome プロファイルのユーザー エクスペリエンスとレポートで最近行われた改善のメリットを得ることができます。この改善によって、BYOD 環境や管理対象外のデバイス環境向けのシンプルで安全なソリューションを企業にお届けできるようになりました。

こうしたコラボレーションを通して、Chrome Enterprise は幅広いソリューションとプラットフォームでお客様を引き続きサポートし、さまざまな環境で従業員が安全で生産性の高い働き方ができるようにするためのお客様の取り組みを支援しています。

ラスベガスで開催される Google Cloud Next では、IT リーダーやビジネス リーダーの方に Chrome Enterprise の動作を実際にご覧いただくことができます。詳細については、こちらをご覧ください。

-Chrome Enterprise、プロダクト管理ディレクター、Mark Berschadski

-Chrome Enterprise、エンジニアリング ディレクター、Robert Shield

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