クラウド BI ハッカソン 2022 表彰プロジェクト

※この投稿は米国時間 2023 年 6 月 17 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

昨年の 12 月、私たち Looker チームはデベロッパー コミュニティを対象に、コラボレーション、学習、啓発を相互に行うことを目的とした毎年恒例のクラウド BI ハッカソンを開催しました。80 か国を超える国から 300 人近くが、43 時間のこのバーチャル ハッカソンに参加しました。参加者は Google が提供するデベロッパー向け機能を使い、データ モデリングやデータの可視化を行って工夫を凝らし、Looker や Looker Studio を使用する 30 種以上のアプリケーション、ツール、データ エクスペリエンスを作成しました。ここでは最優秀賞と優秀賞、そして部門賞を受賞したプロジェクトをご紹介します。可能なものについてはすべて、ハッカソンの結果を再現できるように GitHub リポジトリへのリンクを示しています。

Best Hack 賞

Data Studio Labs - “Google Sheets What-If" Community Connector（Harsha W、Vindiw W）

Best Hack 賞は、Looker Studio を使って Google スプレッドシートを対象とした読み取りだけでなく書き込みもできるようになる、このコミュニティ コネクタが受賞しました。さまざまな計算を行うシートの作成、Looker Studio レポート内からシートへの入力内容の変更を行い、結果を即座に確認することができます。このクリエイティブな Looker Studio コミュニティ コネクタを実装することで、レポートの閲覧者が Looker Studio から直接 What-if 分析を行えるようになります。このコネクタをぜひお試しください。使用法について詳しくは GitHub リポジトリをご覧ください。

Nearly Best Hack 賞

Roast My Looker Instance（Josh T.、Dylan A.）

この chatbot はユーザーの Looker インスタンスを調べて、見捨てられたダッシュボードやアクティブでないユーザー、遅い Explore のような問題について辛らつに報告します。Looker APIで取得したデータが、面白い方法で使われています。詳しくは GitHub リポジトリをご覧ください。

Bytecode Dashboard Version Masters（Michael C.、Brent C.、Rebecca T.、Michelle M.）

ダッシュボードのバージョン管理が、便利な UI を使って、すべて Looker で簡単に行えるようになります。既存ユーザー定義ダッシュボードの編集、変更履歴の保存、ダッシュボードに加えられた変更の取り消しができます。このアプリには、Looker 拡張フレームワークと Looker の Embed SDK が使われていて、Looker のデベロッパー向け機能を複数組み合わせた場合の技術的可能性が示されています。詳しくは GitHub リポジトリをご覧ください。

部門賞

GoX.ai - Looker Studio Forecasting（Sakthi V.、Paul E.、Aravinda S.）

データソースから値を予測して可視化する、カスタムビルドのツールです。Looker Studio 内で直接予測ができます。ユーザーは予測手法の変更と手法に使うパラメータの構成を Looker Studio のレポート エディタ内で直接行い、予測結果を即座に可視化することができます。Looker Studio で行うコミュニティ ビジュアリゼーションの拡張性と柔軟性を証明する力作です。詳しくは GitHub リポジトリをご覧ください。

Data Lineage and Metadata Search in Looker Studio（Luis P.）

SQL コード全体にわたるキーワードの検索と、テーブルからテーブルへデータがフィードされる際のデータ リネージの追跡が簡単にできるようになる Looker Studio レポートです。静的な Looker Studio レポートが、創作的な工夫でデータデベロッパー向けのトラブルシューティング ツールに変身しています。

Looker-loos（Grant S.、Josh F、Jeremy C.）

企業の健康状態を新たなカスタム フィルタで総合的に確認するためのワークフローを定義する Looker ダッシュボードです。過去の同期間とのさまざまな比較（対前年比、対前月比など）を尺度、差分のタイプを変えて行うことができます。複雑な LookML をクリエイティブに使用して Looker ダッシュボードの機能性を高めています。詳しくは GitHub リポジトリをご覧ください。

linked-dashboards（Markus B.、Ana N.）

移動操作が強化された便利な UI です。互いに関係するダッシュボードをフォルダ内でグループ化し、グループ化されたダッシュボード間でフィルタの同期を取る工夫が行われています。Looker 拡張フレームワークとLooker Embed SDK を使って構築された、データアナリスト向けの便利なツールです。

まとめ

Looker チームは 2018 年から毎年、ハッカソンを開催しています。年ごとにハッカソンを改善して、相互にコラボレーション、学習、啓発を行う安全な場を作ろうと努力しています。このイベントは、デベロッパー コミュニティが Looker と Looker Studio のことを学ぶ絶好の機会であるだけでなく、Looker チームが優れた参加者から学びを得るまたとない機会でもあります。たとえば参加者からのフィードバックを生かし、ドキュメントとコミュニティ アウトリーチを向上させて、デベロッパー コミュニティが持つ可能性を広げていく取り組みを行っています。

BI ハッカソン 2022 では、デベロッパー コミュニティがどれほど優れていて、創造的で、コラボレーションに長けているのかが、またしても明らかになりました。Looker Studio コミュニティ ビジュアリゼーション、Looker の Embed SDK、Looker API のようなデベロッパー向け機能が、デベロッパー コミュニティが強力で役に立つ（そして時に面白い）ツールとデータ エクスペリエンスを作り出す上で、どのように機能するのかもわかりました。

ご紹介したハッカソンのプロジェクトが、楽しく新しいものを生み出すヒントになれば幸いです。手始めに、この投稿内にあるリンク先のドキュメントをご覧ください。年内に開催される次回のハッカソンでお会いするのを楽しみしています。

- デベロッパーリレーションズ エンジニア Jeremy Chang