Picsart、Apigee の活用で B2C から B2B へと方向転換
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 6 月 21 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Picsart は、写真 / 動画編集アプリを提供する会社として設立されました。Picsart のアプリは 1 億 5,000 万人以上に利用されており、日々増え続けているユーザーは、日常生活を充実させるためにこのアプリを使用し、編集した写真や動画をさまざまなソーシャル メディア プラットフォームにアップロードしています。ユーザー数が増え続けるにつれ、Picsart はその使いやすい編集ツールを他のアプリケーションやサービスに組み込むことを検討し始めました。現在では、自社製品を強化する手間のかからないソリューションを探している企業が、Picsart の受賞歴のあるソフトウェア スイートを利用することで、その目的を達成できるようになりました。また、Google の Apigee により、印刷会社、T シャツメーカー、スマートフォン ケースのデザイナーなど、さまざまな市場の組織が Picsart のカスタム デザイン API のメリットを享受しています。
Picsart は、グラフィック デザイン機能を手頃な価格で提供することで、開発者を雇用してこれらの機能をゼロから構築するというリソースや時間のかかるプロセスを回避し、企業が新たな顧客層を獲得できるように支援しています。API のメリットは、Picsart のビジネス パートナーにも活力を与えており、写真編集の追加機能が顧客を惹きつけ、アプリのリピーター増加につながっています。
「Picsart のユーザーの 80% は Z 世代やミレニアルズです」と、Picsart の API プログラム担当バイス プレジデントである Jinny Jung 氏は述べています。「世界中のクリエイターの未来である彼らは、クリエイティブなコントロールを望んでいます。」
「Picsart がサービスを提供している企業の多くは、このようなユーザー層を取り込もうとしています。ビジネスを次のレベルに引き上げるには、このようなソリューションが本当に必要なのです」と Jung 氏は付け加えます。API サービスを利用することで、Picsart も次のレベルに引き上げられます。Apigee もその役割の一部を担います。
迅速な方向転換を行うには
Picsart にとって、厳密な B2C(一般消費者向け取引)サービスから B2B(企業間)サービスに移行することは容易ではありませんでした。まったく新しいビジネスモデルを採用し、新しい API プロダクト スイートを開発する必要がありましたが、これを迅速に行うことができました。
ある著名なソーシャル メディア サイトから、編集ツールを API 経由でユーザーに提供したいと連絡があったとき、Picsart は、この機会は絶対に逃してはいけないと判断しました。しかし、Picsart には、複数プロセスが関連する上に、ロジスティックの点で多くの複雑さをはらむ、API の社外利用を管理する方法について知識のある開発者が誰もいませんでした。API を正しく構成しないと、悪意のあるアクターによってサイバー セキュリティ保護が簡単に回避され、ネットワーク データが漏洩してしまう可能性があります。
Picsart は、安全な API 開発プロセスの構築を計画および調整するために、API を担当するビジネス ユニットをすぐに立ち上げました。このプロセスは、マーケティング、販売、流通など、ビジネスの側面をサポートすると同時に、Picsart の元々の B2C 顧客に優れた機能を提供するものです。そしてついに、Picsart は生まれ変わりました。
API ビジネス ユニットは、Jung 氏が言うところの「大企業の中の積極果敢なスタートアップ」として機能しています。予算も潤沢ではありません。最初の仕事は、チームが直面するすべてのタスクを簡素化して合理化できる、手頃な価格の API 管理プラットフォームを見つけることでした。Jung 氏は、Apigee を選択したことに迷いはなかったと述べています。
「Apigee のサービスのおかげで、莫大な予算をかけることなく事業を開始し、時間をかけてビジネスを成長させることができる柔軟性を得られました。使いやすいうえ、非常に直感的なダッシュボードもあり、価格も納得のいくものでした。」
Picsart 社内では以前から API を使用していましたが、顧客やパートナーに API を提供したことはありませんでした。
「私たちは、設定を一からしなくてもすむゲートウェイや管理プラットフォームに頼る必要がありました。近道を必要としていたのです」と Jung 氏は言います。
彼女のチームは他の API プラットフォームも検討しましたが、Apigee は、Google Cloud の一部ということで、自然と優先順位が高くなりました。
「私たちはすでに Google Cloud のユーザーでした。すでに Google Cloud エコシステムを活用していたわけです。Apigee の使いやすさと、それを支える Google のパワーがとても気に入りました。」
Apigee は、Google Cloud Content Delivery Network(CDN)や Google Cloud のフルマネージド データ ウェアハウスである BigQuery など、他の Google Cloud サービスとシームレスに連携して動作できます。
「Apigee と Google エコシステム全体とのインテグレーションによって手間が減ることから、これを使用することになったのはごく自然な流れでした」と、Picsart で API ビジネス ユニットのエンジニアリング ディレクターを務める Tiberiu Stanescu 氏は述べています。「これにより、スケーラビリティ、クエリのパフォーマンス向上、データ統合時のダッシュボード機能など、技術的なニーズにも応えることができます。」
Apigee を使用して API を完全に制御
Picsart は Apigee を使用して、社外で利用される自社の API のすべてを管理しています。API によって、ユーザーは、写真の背景の削除や変更、フィルタの適用、テキストの追加などが可能になります。Apigee はまた Picsart の Editor SDK パッケージの API 機能も管理しています。
Picsart は、主に以下の用途で Apigee を使用しています。
API 管理: Apigee はテスト環境、ステージ環境、本番環境の実行、PreFlow と PostFlow のカスタマイズ、API キーや oAuth などのさまざまな方法によるサービスの自動承認が可能です。
Picsart が Apigee を使用している間、Apigee の事前構築済みの統合ポータルに「大きく」助けられたと Stanescu 氏は言います。Stanescu 氏は、Apigee の柔軟性とレート制限機能を高く評価しており「これにより、プロダクトを適切に定義し、保護できるようになりました」と述べています。デベロッパー サポート: Apigee を使用することで、Picsart は現在、マイクロサービス アーキテクチャを使用して新機能を開発する「API ファースト」のアプローチを採用しています。デベロッパー ポータルを通じて API を公開しているため、各 API をデベロッパーがどのように利用できるかを正確に説明できます。
Apigee によって、Picsart 社内の開発者は、API を使用して開発プロセスを簡素化でき、時間と費用の削減を実現しています。Apigee を他の Google サービスと連携させることで、Picsart には、API 関連の生産性の向上を確認およびモニタリングするために必要なデータと分析が提供されます。セキュリティ: Apigee のセキュリティ機能の実装には専門的な知識やスキルを必要としないため、そのまますぐに使用できます。Picsart は、ヘッダーを含めたセキュリティ パラメータの設定や、カスタムのレート制限ポリシーや割り当てといった Apigee のセキュリティ機能を利用して、API 呼び出しによるスタック オーバーフローを回避しています。
この結果、Picsart では API 関連のセキュリティ インシデントは発生していないと Stanescu 氏は言います。「この結果について Apigee には本当に感謝しています。最近、ある企業が Picsart の API のペネトレーション テストを行い、脆弱性を探そうと試みましたが、セキュリティ上の欠陥や脅威は発見されませんでした」と Stanescu 氏は付け加えます。強力かつ使いやすい Apigee のセキュリティ機能は、Picsart がクライアントや顧客の安全性を確保するために役立っています。
積極果敢なスタートアップからビジネスの中核へ
Google Apigee を導入してからの 3 年間で、Picsart の API ビジネス ユニットが扱うサービスは、一見してシンプルなリクエストから、新規および継続的な収益を可能にする重要なプロダクトへと成長しました。
「これは、当社のビジネス基盤の一部です」と Jinny Jung 氏は言います。「Picsart の API の社外向けビジネス全体を支えています。Apigee の API ゲートウェイがなければ、デベロッパーやパートナーに API を販売することはできないでしょう。また、私たちは、Apigee なしでは軌道に乗れなかったでしょう。」
Apigee は、もう一つの重要な方法でも Picsart を助けています。BigQuery のようなプロダクトとの統合により、Google のデータ分析プラットフォームで、どの API がよく利用されているかを常に把握できます。このような情報はビジネスのあらゆる側面におけるガイダンスとなるため、ジェネレーティブ AI を活用した新しいプロダクトの開発およびリリースに役立てることができます。
「データは、私たちが何を開発し、どこにリソースを配置するかを決定するうえで、絶対的な情報源となります」と Jung 氏は言います。「Apigee を使用すると、API の使用状況を追跡し、トレンドを把握することが非常に簡単になります。」
Picsart は、Apigee を使用することで、費用のかかる開発プロセスに伴うストレスを回避しつつ、あらゆる市場、あらゆる層のオーディエンスに向けてクリエイティブ デザインの新しい世界を切り開いています。今日、ジェネレーティブ AI アプリの創造性は高まり続けており、わずかな自然言語プロンプトだけで壮大なアートを作成できるようになっています。Picsart と Apigee は今後も、API を通じてどんな場所からでもアーティストがキャンバスを利用できるよう協力を続ける予定です。


