AI & 機械学習

インテントが 10 倍の 2 万に増えた新しい Dialogflow Mega Agent for Contact Center AI

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※この投稿は米国時間 2020 年 2 月 20 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。 

企業と顧客とのコミュニケーションで特に重要な接点の一つと言えば、コンタクト センターです。しかし、やり取りの内容が多岐に及ぶため、常に顧客が満足する対応を提供するとなるとさまざまな課題が絡み合い、複雑化しているのが実情です。そうした状況を解決するため、数多くの企業が人工知能(AI)とクラウドの導入を進めています。

Google Cloud が先ごろ一般提供の開始を発表した Contact Center AI には、AI を活用して優れたカスタマー エクスペリエンスを継続的に提供するための 2 つの機能、仮想エージェントと Agent Assist が搭載されています。このたび、顧客対応のさらなる改善を支援するため、Contact Center AI の中核技術である Dialogflow を大幅にアップデートし、仮想エージェントが利用できるインテントの数を 10 倍の 2 万に増やすなどしました。

Dialogflow は chatbot やインタラクティブ音声レスポンス(IVR)を構築するための業界最先端のプラットフォームで、世界中のコンタクトセンターで導入され、自然で豊かな会話体験を提供しています。インテントの数が増えたことで、トレーニング フレーズ、アクション、パラメータ、レスポンスが増え、仮想エージェントと顧客とのやり取りも問題解決もより効果的になります。

また、インテントを増やす以外にも、顧客の期待に応えられるエクスペリエンスを提供し、コンタクト センターのスケール調整をこれまで以上に容易にするためのアップデートを行いました。このたびのアップデートの概要は以下のとおりです。

Dialogflow Mega Agent (ベータ版): 最大 2 万のインテントにより顧客とのスムーズな対話を実現

Dialogflow Agent Validation(一般提供): エージェントの設計エラーをリアルタイムで特定して、品質の高いエージェントを迅速にデプロイ

Dialogflow バージョンと環境(一般提供): 複数バージョンのエージェントを作成し、異なる環境に公開

Dialogflow Webhook Management API(一般公開): クエリをより迅速かつ簡単に作成して管理

ここからは、各機能について詳しくご紹介します。

Mega Agent: 回答できる質問数が 10 倍に

顧客が何かを言ったり書いたりすると、Dialogflow は顧客のリクエストをキャプチャし、エージェントの最適なインテントに一致させます。インテントが多いほど、顧客との対話の質が向上します。標準の Dialogflow エージェントのインテント上限数は 2000 で、公開情報によると、これが現在の市場で最大のインテント数です。現在ベータ版で提供中の Dialogflow Mega Agent を使用すると、複数の Dialogflow エージェントを組み合わせて単一のエージェントを作成でき、インテント上限数は 10 倍の 2 万に拡張されます。

インテントが増えることで、より自然で滑らかな会話を通してインテントと質問を適時に切り替えて、顧客からの質問に対応できます。これにより、より多くのユースケースに応じられる規模も能力も格段にアップし、顧客ニーズの対応力向上や問題解決の効率化に結びつきます。

また、Dialogflow Mega Agent を導入すると、Dialogflow エクスペリエンスの作成と管理も容易になります。複数のチームで 1 つのエージェントを構築している場合は、チームごとにサブエージェントを 1 つずつ担当させることで、変更の競合が少なく単純になり、チーム間のガバナンスが改善します。

数々の企業が、よりシームレスで統合されたカスタマー エクスペリエンスを提供するために Dialogflow Mega Agent を使い始めています。

KLM オランダ航空のソーシャル テクノロジー責任者である Joost Oremus 氏は、次のように述べています。「KLM では、Dialogflow を使って複数の(チャット)ボットサービスを構築しています。旅行は複雑な商品なので、お客様を適切なエージェント(人間のエージェントと複数の自動化されたエージェントの両方)に誘導できているかどうかを確かめるのは困難です。Mega Agent を初めて試験的に実施したところ、この課題の解決に向けて期待できる結果が得られました。」

Agent Validation: より良い対話が良いカスタマー エクスペリエンスにつながる

コンタクト センターとの会話でストレスを感じると、顧客は確実に離れていきます。それにもかかわらず、簡単に修正できる品質問題が Dialogflow エージェントの 80% に残されていたという内部調査が報告されています。Dialogflow の Agent Validation は、設計者がエラーを特定し、高品質のエージェントを作成できるようにすることで、こうした非効率的な顧客対応を排除し、カスタマー エクスペリエンスの向上につなげます。

エラーを特定しやすくするため、Agent Validation は Dialogflow エージェントの設計における品質の問題(重複するトレーニング フレーズ、間違ったエンティティ アノテーションなど)を自動的に検出するとアイコンやインジケーターで示し、修正可能な問題に関する最新情報をデベロッパーにリアルタイムで提供します。エラーが減ることでボットのデプロイが迅速化し、本番環境での Dialogflow エージェントの品質も改善されます。

Contact Center AI はできるだけ簡単に導入できるように設計されています。しかも、次の 2 つの機能によってデプロイ段階がさらに簡素化されるため、デベロッパーはサービスのテストと反復に時間を費やすことができます。

バージョンと環境: エージェントの作成、テスト、デプロイをすべて 1 か所で行う

バージョンと環境(一般提供開始)では、複数のバージョンのエージェントを作成し、テスト、開発、ステージング、本番といったさまざまなカスタム環境に公開できます。これにより、デベロッパーはさまざまなバージョンのエージェントをテストし、変更を追跡して、Dialogflow エージェント自体のデプロイ プロセス全体を管理できるようになります。

Webhook Management API: Webhook の応答時間を短縮してデベロッパーのリソースを節約

Webhook Management API は、Webhook を作成、管理し、クエリをプログラムにより簡単に実行できるようにするためのエンタープライズ向け API です。Dialogflow は毎日何百万件ものクエリを Webhook で処理、実行します。これまでは Dialogflow コンソールからの実行に限定されていましたが、この新しい API によりエージェントの設計プロセスをスピードアップすることができます。

優れたカスタマー エクスペリエンスで顧客のロイヤルティを築いていけば、リピーターの獲得につながります。Google Cloud では、Dialogflow のアップデートによって優れたカスタマー エクスペリエンスの開発をこれまで以上に簡単にすることを目指しています(Dialogflow の料金はこちらでご確認いただけます)。これらの機能はすべて Dialogflow コンソールや API を通じてすでにアクセス可能な状態です。Contact Center AI の統合にぜひお役立てください。

- Google Cloud プロダクト管理ディレクター Levent Besik、Dialogflow プロダクト マネージャー Shantanu Misra