初級者コースのように簡単: Vail Resorts がパーソナライズされたおすすめを自動化する AI アシスタントを構築した方法

Olivia Marrese
Conversational Architect, 66degrees
Jacob Walcik
Customer Engineer, Google
※この投稿は米国時間 2026 年 3 月 28 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
スキーヤーやスノーボーダーは、新雪を追い求めたり、新しいトリックをマスターしたり、新しい地形を探索したりと、ゲレンデでのあらゆる瞬間を精一杯楽しむものです。よく知っているお気に入りのゲレンデを訪れる場合でも、初めてのゲレンデを訪れる場合でも、必要な情報をすぐに手に入れて、自信を持って移動し、隠れた名所を見つけ、到着した瞬間からその場所に溶け込みたいと考えています。
そのような理由から、Vail Resorts は 2024~2025 年の雪シーズンに My Epic Assistant をリリースしました。Vail は、世界で最も象徴的で愛されている山岳リゾート(ウィスラー ブラッコム、パークシティ マウンテン、ストウ、クレステッド ビュートなど)を運営しています。同社は、すべての利用者が新しいアプリで十分なサポートを受けられる、つまり、ゲレンデ体験に没頭したまま、迅速かつ有益な回答を得て、ゲレンデにあるすべてのものを発見できるようにしたいと考えていました。
情報ブースを探すのと、次の滑走に向けてリフトに乗っている間にアプリで情報を得るのと、どちらがよいか、考えれば答えは明白です。
My Epic Assistant は、Vail Resorts の IT チーム、接客チーム、運営チームのノウハウを Google の強力な Gemini モデルにフィードする AI 搭載アシスタントです。結果として、ゲレンデで適切なシーズンパスを選択するサポート、最新の雪の状況の共有、レッスンの準備状況の確認、ココアを飲むのに最適な場所の提案などを、このエージェントで行えるようになりました。Vail Resorts は、単なる chatbot ではなく、ウィスラーでパウダースノーを楽しめる日と、ビーバー クリークへの家族旅行に適した日の微妙な違いを理解できるデジタル コンシェルジュを求めていました。
これらのサービスを次のレベルに引き上げるため、Vail Resorts のチームと Google Cloud スペシャリスト 66degrees は、2025~2026 年シーズン向けに My Epic Assistant を更新し、シーズンパスのおすすめや強化されたパーソナライズなどの新機能を追加しました。この機能により、ゲストの質問を理解し、複雑なリクエストに対応して、ゲストに最適なパスをインテリジェントに案内できるようになりました。
この投稿では、ゲレンデを楽しむために迅速なサポートを求めている、目の肥えた利用者からの、微妙な違いのある複雑な質問に効果的に回答できるマルチエージェント システムをオーケストレートするという難題に、Google がどのように取り組んだのかをご紹介します。このような AI 搭載ツールを活用できるのは、ゲレンデに詳しい利用者だけではありません。
このような AI 搭載ツールを活用できるのは、ゲレンデに詳しい利用者だけではありません。
このブログ投稿では、接客業のこの過酷な分野特有の課題に巧みに対処できるマルチエージェント システムをオーケストレートして、My Epic Assistant を構築した方法について詳しく説明します。これは、顧客中心の他の分野の組織が、それぞれの状況に合わせてエージェント システムを構築するうえでも役立つアプローチです。


新しいシーズン、より良い結果
My Epic Assistant 内のパーソナライズ、検索、要約の各機能、会話フローを実装して改良した結果、アプリの初回リリース以降、人間のエージェントへのエスカレーションが 45% 減少しました。
テクノロジーは人と人の触れ合いに取って代わるのではなく、それを強化するものです。日常的なロジスティクスを自動化し、パーソナライズを拡大することで、Vail Resorts のゲスト エクスペリエンス テクノロジー チームは、そのことを確実にすることができました。全体的に、サポートを求める利用者は、より迅速かつ確実に、より多くの方法とタイミングでサポートを利用できるようになりました。
「Google Cloud のツールを利用することで、エージェント設計パターンを活用して、自然でパーソナライズされた会話を実現できました。これにより、顧客満足度が向上し、手動でのインテント設計の必要性が低減しました。また、これらのツールにより、柔軟性と制御性を組み合わせて、アシスタントがブランド、ポリシー、プロダクト戦略の範囲内で常に流動的に対応できるようになりました」とチームは述べています。
My Epic Assistant の構築手順
まず、My Epic Assistant はサブトピック分類エージェントを使用して、パスの比較、おすすめの提案、一般的な情報の検索など、利用者の最初のリクエストを理解します。パスは期間限定でのみ購入できるため、日付オブジェクトを使用して時期を判断します。パスが販売終了している場合は、自動的にリフト券の情報にルーティングされます。パスとリフト券の両方が購入可能な場合、アシスタントはいくつかの確認の質問をして、旅行に最適な価値を提供するオプションを顧客が決定できるようにします。次に、アシスタントは、おすすめを提示するために必要な追加データを判断するために、データ収集エージェントに引き継ぎます。認証済みのユーザーの場合、Vail Resorts は、よく訪問するリゾート、平均訪問回数、年齢、今後訪問予定のリゾート、ピーク日の好みなどの既存のデータを、Webhook から呼び出して提供します。認証されていない新規のユーザーの場合、ギャップを埋めるために、確認のための回答しやすい質問をします。一方通行の静的なフォーム入力ではありません。
このステップでは、生成 AI の会話機能が真価を発揮します。My Epic Assistant は、自由に会話できるように設計されているため、利用者はいつでも確認のための質問をして、コンテキストを失うことなくレコメンデーション プロセスに戻ることができます。ハンドブックの手順に沿って、モデルは出力に必要なすべてのパラメータが入力されているかどうかを継続的に評価し、次のステップに進みます。このプロセス中も、利用者は他の質問をすることができます。
たとえば、ピーク日の利用を希望するかどうかを尋ねられた利用者が、「制限の対象となる今年のピーク日はいつですか?」と続けて質問する可能性があります。My Epic Assistant は、Vail Resorts の広範な知識を体系化したウェブサイトのデータストアを呼び出して対応します。その後、My Epic Assistant は回答を提供し、コンテキストを失うことなく会話の前のターンに戻ります。
最後に、レコメンデーション エージェントが引き継ぎます。収集したユーザーデータを使用して、すべてのパス オプションの構造化データベースに対してクエリを実行し、完全一致を見つけます。その後、システムは、特定されたパスが適している理由を説明するユーザー フレンドリーな回答を生成し、直接購入リンクを含むコンテンツ カードを提供して、利用者の最終ステップを簡素化します。


パス レコメンデーション エージェントのコア機能は、既存のすべてのパス、その特長、制限事項の構造化ファイルを含むパス マトリックスのデータストア ツールです。利用可能なオプションが多数あるため、ツールがすべての入力パラメータを受け取ったときに有効で適切なオプションを返すことを確認するには、広範なテストが必要でした。66degrees は、この分野に関する Vail Resorts の深い知識を活用して、あらゆる結果を検証しました。
プロンプト エンジニアリングにより、最終的な回答では、特定のパスが利用者に最適なオプションである理由を詳細に説明したおすすめが提示されます。また、おすすめの購入リンクを含むコンテンツ カードも呼び出されます。ハンドブックを終了する必要はありません。新しくリリースされた Epic Friends 機能に関する詳細情報が表示されるなど、生成された回答が適切でない場合もありました。静的な回答は、コード スニペットと条件付きアクションを介して呼び出されます。これらもハンドブック自体に格納されるため、全体的なアーキテクチャが簡素化されます。
パーソナライズが初級者コースのように簡単に
My Epic Assistant のスマート テクノロジーとユーザー重視のデザインの新しい組み合わせにより、Vail Resorts は、単なる顧客の質問とその回答という枠を超えて、多くの顧客のリクエストに対して真に会話型でありながら完全に自動化されたエクスペリエンスを提供できるようになりました。重要なのは、Vail Resorts のような運営企業にリゾート利用者が期待するコンシェルジュ サービスを、AI とクラウド テクノロジーなしでは実現できない規模で提供していることです。
Vail Resorts は、My Epic Assistant のパスのおすすめ機能により、すべての利用者がこれまでで最高のシーズンを過ごすためのカスタムのおすすめ情報を受け取れるように準備を進めています。
上級者コースのように技術的に難しい課題を、初級者コースのように簡単に扱えるソリューションで解決することをご希望の場合は、66degrees と Google Cloud のエキスパートにお問い合わせのうえ、最新の AI とクラウド テクノロジーで何ができるかをご確認ください。
- 66degrees、会話アーキテクト、Olivia Marrese
- Google、カスタマー エンジニア、Jacob Walcik



