「生成 AI」から「エージェント型 AI」へ — 自律する AI が変える企業経営

Google Cloud Japan Team
アジア太平洋地域(APAC)950 社の調査データが明かす、AI の次の進化と日本企業が今とるべきアクション
エージェント型 AI(Agentic AI)に投資した企業は、平均 3.5 倍の ROI を達成し、プロジェクト成功率は 81% に達しています。 成功の鍵は、AI スキルへの人材投資、高品質なデータ基盤、そしてフルスタック プラットフォームの選択にありました。
今、企業がとるべきアプローチは明確です。エージェント型 AI を軸に据え、データ基盤を整備し、人材のスキルを高め、信頼できるプラットフォームと組む。本記事では、IDC による最新調査「Asia Pacific Generative AI Adoption Study 2025」のデータから、そのポイントを解説します。
詳細なホワイトペーパーはこちらからダウンロードしてください。
単なるコンテンツ生成から自律的な意思決定へ — エージェント型 AI の台頭
AI は今、自ら分析し、推論し、行動するエージェント型 AI へと進化しています。 人間の指示を待つのではなく、複数のツールを連携させてワークフローを自律的に実行し、複雑なビジネス目標を人手を介さずに成果へと変えていく。これがエージェント型 AI の最大の強みです。
すでに現場での活用も広がっています。製造業では、予測型 AI と生成 AI を組み合わせ、ラインの速度を調整したり、不足した部品をリアルタイムで自動発注したりして、ダウンタイムなしでの稼働を実現。小売業でも、店舗と配送センターの間で欠品の自動補充や、1 時間ごとの動的な価格調整が自律的に動き始めました。


期待される 3 倍の ROI と「先行組」の成功の秘訣
企業の 66% が、生成 AI への投資で 3 倍の ROI を期待しています。 そして実際に、先行組と呼ばれる企業群は平均 3.5 倍の ROI を達成し、AI プロジェクトの成功率も 81% に達しました。


この成功の裏には、AI ツール単体への依存ではなく、部門横断的な協力体制の構築や、社内のメンター制度の促進など、人とエージェントが協力するためのスキルアップ プログラムへの積極的な投資がありました。熟練したチームの存在こそが、AI 主導の変革を成功に導く鍵になっています。
成功の鍵を握るデータ基盤とフルスタック プラットフォーム
エージェント型 AI のスケールを左右するのは、データ基盤とプラットフォームの質です。 すべての業界で最大の障壁となっているのが不十分なデータアクセスと低いデータ品質であり、一部の業界では最大 51% の組織がこの課題に直面しています。高品質なデータがなければ、AI エージェントは正確に機能しません。
こうした現実を受けて、企業は AI 予算のかなりの部分を、データエンジニアリングや AI インフラストラクチャ、セキュリティといった基盤に戦略的に振り向け始めました。
プラットフォームの選択も同様に欠かせないポイントです。モデル、ツール、インフラストラクチャ、ガバナンスをひとつのプラットフォームで提供し、既存の企業システムとシームレスに統合できるフルスタック AI ソリューション ベンダーを、戦略的パートナーとして重視する傾向が強まっています。


実務的なアプローチで進化する日本市場の未来
日本では今後 12 か月以内に 42% の組織がエージェント型 AI の導入を計画しています。 生成 AI の導入率はすでに 65% とアジア太平洋地域で 3 番目に高く、保守的でありながらも実用性を重視する日本独自の姿勢がこの数字に表れています。
注目すべきは、モデルやプラットフォーム基盤よりも、ビジネス アプリケーションへの適用を強く優先している点でしょう。生産性の向上で 67%、カスタマーサポートで 66% と、エージェント型 AI への期待が高い領域がはっきりしており、従業員の負荷軽減や顧客エクスペリエンスの向上といった具体的なビジネス課題に焦点を当てた取り組みが進んでいます。


日本企業の今後 12 か月の AI 投資先を見ると、ビジネスアプリケーション(45%)を筆頭に、セキュリティが 41%、データエンジニアリングが 39%、インフラストラクチャが 36% と、基盤領域への投資も着実に伸びています。ビジネス アプリケーションで成果を実感した企業が、次のステップとしてデータ基盤やプラットフォームの整備へと投資を広げていく流れは、今後さらに加速していくでしょう。
これからの企業成長において、AI は単なる IT プロジェクトではなく、企業の中核的なケイパビリティになっていきます。安全なデータ基盤を構築し、従業員のスキルを高め、信頼できるプラットフォームと連携する。その先に、エージェント型 AI がもたらす自律的な未来が広がっています。



