Cloud DNS で単一クライアントアクセス名を構成する

Oracle® Real Application Clusters（RAC）クラスタには、Cloud DNS が提供する高可用性の DNS 名でアクセスできます。これを実現するには、DNS エントリが RAC 単一クライアントアクセス名（SCAN）を参照するようにします。この値は、クラスタトポロジの変更に合わせて維持されます。

始める前に

このガイドを完了するには、次のリソースとサービスへのアクセス権が必要です。

Partner Cloud Interconnect を介して Google Virtual Private Cloud（VPC）に接続する構成済みの Bare Metal Solution サーバー。
Bare Metal Solution サーバーに構成済みで、各ノードで SCAN リスナーがアクティブになっている RAC クラスタ。
Cloud DNS。

システムアーキテクチャ

次の図は、このガイドで使用されているシステムアーキテクチャを示しています。

Oracle RAC クラスタに接続している Google Cloud のシステムアーキテクチャ図

RAC クラスタを参照するように Cloud DNS を設定する

RAC クラスタに DNS 名の単一アクセスを設定するには、次の操作を行います。

Google Cloud CLI を実行したことがない場合は、次のコマンドを実行してプロジェクト名を指定し、Google Cloud Console で認証する必要があります。
```
gcloud auth login
```
Google Cloud プロジェクトで Cloud DNS API を有効にします。
Cloud DNS で、Bare Metal Solution サーバーに接続している VPC 用に受信サーバーポリシーを作成します。これにより、Bare Metal Solution サーバーが Cloud DNS と通信できるようになります。
受信フォワーダーのエントリポイントの一覧を取得し、各 Bare Metal Solution サーバーの正しいエントリポイントの IP アドレスを確認します。
前の手順の IP アドレスを名前解決で使用するように、各 Bare Metal Solution サーバーを構成します。この手順は、お使いのオペレーティングシステムによって異なります。

たとえば、Red Hat Enterprise Linux 8 で名前解決を構成するには:
1. NetworkManager の DNS 処理を無効にします。
2. /etc/resolv.conf に次の行を追加し、ENTRY_POINT_IP_ADDRESS をエントリポイントの IP アドレスに置き換えます。
```
nameserver ENTRY_POINT_IP_ADDRESS
```
限定公開の Google アクセスに Cloud DNS を構成します。
インストール時に構成されたデータベースユーザーとして、RAC データベースをホストする Bare Metal Solution サーバーにログインします。
シェルプロファイルで ORACLE_HOME および PATH 環境変数を設定していない場合は、ここで設定してデータベースに接続できるようにします。

srvctl で SCAN の構成をリクエストして、SCAN 名を探します。

srvctl config scan

次の例のようなレスポンスが返されます。

SCAN name: cluster01-scan.mycompany.internal, Network: 1
Subnet IPv4: /192.168.1.0/255.255.255.0/bond0.118, static
Subnet IPv6:
SCAN 1 IPv4 VIP: 192.168.1.30
SCAN VIP is enabled
SCAN 2 IPv4 VIP: 192.168.1.31
SCAN VIP is enabled
SCAN 3 IPv4 VIP: 192.168.1.32
SCAN VIP is enabled

前のレスポンスの SCAN 名は cluster01-scan.mycompany.internal です。

次の詳細を指定して、Cloud DNS に限定公開ゾーンを作成します。
- 新しいゾーン名。構成コマンドでゾーンの識別に使用します。
- ゾーンの説明。ゾーンの目的など。
- ゾーンの DNS 名サフィックス（例: mycompany.internal）。これは、前の srvctl config scan コマンドで返される SCAN 名のサフィックスと一致する必要があります。
- 限定公開 DNS ゾーンを表示する VPC ネットワーク。
前のゾーンにレコードを追加し、次の詳細を入力します。
- 前のステップで作成したゾーンの名前。
- 完全な DNS 名。このガイドでは、cluster01-scan.mycompany.internal としています。
- 有効期間（TTL）。これは、DNS レコードがキャッシュに保存される期間です。
- リソースレコードのタイプ。SCAN の場合、これは A レコードです。
- 前の srvctl config scan コマンドで返される SCAN IP。
他にも解決が必要な名前があれば、この手順を繰り返します。

Bare Metal Solution サーバーで、SCAN の解決が nslookup と機能していることを確認します。

nslookup cluster01-scan.mycompany.internal

成功すると、次のようなレスポンスが返されます。

Server:  10.158.0.3
Address: 10.158.0.3#53

Name: cluster01-scan.mycompany.internal
Address: 192.168.1.32
Name: cluster01-scan.mycompany.internal
Address: 192.168.1.30
Name: cluster01-scan.mycompany.internal
Address: 192.168.1.31

これで、Cloud DNS を介して、高可用性と復元力を備えた単一の DNS 名を使用し、RAC クラスタにアクセスできるようになりました。

_{Java は Oracle および関連会社の登録商標です。}

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