Artifact Registry ロケーション

リポジトリを作成する際は、そのロケーションを指定する必要があります。選択した場所によって、リポジトリ ストレージが作成される場所が決まります。リポジトリは、次の種類のロケーションに作成できます。

  • リージョンは、東京やバージニア州北部などの特定の地域です。

  • マルチリージョンは、アジアや米国などの、2 つ以上の地理的な場所を含む広い地理的なエリアとなります。

Artifact Registry では、サービス固有の規約に従って、選択したロケーションにアーティファクトが保存されます。

レイテンシ、可用性、帯域幅のコストのバランスがとれた場所が適切なロケーションになります。

  • リージョンを使用すると、同じリージョンにあるシステムでのアップロードとダウンロードのレイテンシとネットワーク帯域幅を最適化できます。

  • Google ネットワークの外部にあり、広域に分散しているシステムとやりとりする場合や、複数のリージョンにわたる冗長性による高可用性を期待する場合は、マルチリージョンを使用します。

  • 通常、便利なロケーション、またはデータを利用する大半のユーザーが含まれるロケーションにデータを保存することをおすすめします。

  • Compute Engine の場合

    • Compute Engine VM インスタンスと同じリージョンにデータを保存すると、パフォーマンスを向上できます。
    • Compute Engine ゾーン リポジトリのロケーションは指定できませんが、特定のリージョン内にあるストレージにアクセスするときのパフォーマンスは、そのリージョン内のゾーンにあるすべての Compute Engine VM インスタンスに関して同等です。

サポートされているリポジトリのロケーションの一覧を表示するには、次のコマンドを実行します。

gcloud artifacts locations list

ロケーションの制約

組織によっては、保存データの場所に関する特定の要件がある場合があります。組織のポリシーにリソース ロケーションの制約が含まれている場合、リポジトリの作成時に Artifact Registry が制約を適用します。

組織のポリシーは、既存のリポジトリに遡及的に適用されることはありません。既存の保存されたアーティファクトに新しいロケーション制約を適用するには、組織ポリシーの適用後に新しいリポジトリを作成し、古いリポジトリから新しいリポジトリにアーティファクトを移行します。gcrane ツールを使用して、リポジトリ間でイメージをコピーできます。

利用可能なリージョン

大陸 リージョン名 リージョンの説明
北アメリカ
northamerica-northeast1 モントリオール
northamerica-northeast2 トロント
us-central1 アイオワ
us-east1 サウスカロライナ
us-east4 北バージニア
us-east5 コロンバス
us-south1 ダラス
us-west1 オレゴン
us-west2 ロサンゼルス
us-west3 ソルトレイクシティ
us-west4 ラスベガス
南アメリカ
southamerica-east1 サンパウロ
southamerica-west1 サンティアゴ
ヨーロッパ
europe-central2 ワルシャワ
europe-north1 フィンランド
europe-southwest1 マドリッド
europe-west1 ベルギー
europe-west2 ロンドン
europe-west3 フランクフルト
europe-west4 オランダ
europe-west6 チューリッヒ
europe-west8 ミラノ
europe-west9 パリ
europe-west10 ベルリン
europe-west12 トリノ
中東
me-central1 ドーハ
me-central2 ダンマーム
me-west1 テルアビブ
アジア
asia-east1 台湾
asia-east2 香港
asia-northeast1 東京
asia-northeast2 大阪
asia-northeast3 ソウル
asia-south1 ムンバイ
asia-south2 デリー
asia-southeast1 シンガポール
asia-southeast2 ジャカルタ
オーストラリア
australia-southeast1 シドニー
australia-southeast2 メルボルン
アフリカ
africa-south1 ヨハネスブルグ

利用可能なマルチリージョン

マルチリージョン ロケーションのデータセンターは、地理的エリア全体に分散しています。たとえば、europe マルチリージョンで作成されるリソースは、欧州連合内の複数のデータセンターに存在します。どのデータセンターが選択されるかやマルチリージョン内のどこに位置するかは構成できません。

Google Kubernetes Engine イメージ ストリーミングを使用する場合、Artifact Registry リポジトリは GKE ノードと同じリージョンか、ノードが実行されているリージョンに対応するマルチリージョンに存在する必要があります。次に例を示します。

  • ノードが us-east1 にある場合、GKE と Artifact Registry の両方が米国内のデータセンター ロケーションで実行されているため、us-east1 リージョンまたは us マルチリージョンのリポジトリでイメージ ストリーミングを使用できます。
  • ノードが northamerica-northeast1 リージョンにある場合、ノードはカナダで実行されます。この場合、イメージ ストリーミングを利用できるのは、同じリージョンのリポジトリだけです。
マルチリージョン名 マルチリージョンの説明
asia アジア内のデータセンター
europe 欧州連合(EU)内のデータセンター 1
us 米国内のデータセンター

1 europeマルチリージョン内のストレージ バケットに追加されたオブジェクト データは、europe-west2 または europe-west6 データセンターに保存されません。

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