ローカル開発用サーバーの使用

Google Cloud CLI には、ローカル開発用サーバー(dev_appserver.py)が含まれています。ローカル開発用サーバーを使用することで、本番環境の App Engine でアプリケーションの実行をシミュレートしながら、それを App Engine のバンドル サービスへのアクセスに使用できます。

シミュレートされた環境では、システム関数や Python 3 モジュールによるインポート機能の制限など、サンドボックスにある程度制限がありますが、リクエストのタイムアウトや割り当てには制限がありません。

App Engine 用 SDK のライブラリによって提供される Datastore、Memcache、タスクキューなどのサービスを、ローカル開発用サーバーでローカルに実行してシミュレートすることもできます。アプリケーションが開発用サーバーで動作している場合でも、Google API の HTTP エンドポイントを使用して、本番環境のインフラストラクチャに対するリモート API 呼び出しを実行できます。

ローカル開発サーバーの実行

アプリの app.yaml構成ファイルを作成した後、dev_appserver.py コマンドを使用してローカル開発用サーバーを起動し、アプリをローカルで実行できます。

ローカル開発用サーバーを起動するには:

  1. app.yaml 構成ファイルのあるディレクトリで dev_appserver.py コマンドを実行します。Python 2 がシステムのデフォルトのインタープリタでない場合は、python2 dev_appserver.py を実行して Python 2 インタープリタが使用されていることを確認する必要があります。

    アプリへのディレクトリ パスを指定します。たとえば次のようにします。

      dev_appserver.py --runtime_python_path=/usr/bin/python3 [PATH_TO_YOUR_APP]
    

    次のように、引数をカンマ区切りの Key-Value リストに設定してもかまいません。

      dev_appserver.py --runtime_python_path="python27=/usr/bin/python2.7,python3=/usr/bin/python3" [PATH_TO_YOUR_APP]
    

    また、特定のサービスの構成ファイルを指定することもできます。たとえば次のようにします。

      dev_appserver.py --runtime_python_path=/usr/bin/python3 app.yaml
    

    ポートを変更する場合は、--port オプションを含めます。

      dev_appserver.py  --runtime_python_path=/usr/bin/python3 --port=9999 [PATH_TO_YOUR_APP]
    

    dev_appserver.py が機能しない場合:

    dev_appserver.py コマンド オプションについて詳しくは、ローカル開発用サーバーのオプションをご覧ください。

  2. ローカル開発用サーバーが起動し、リクエストを待機します。ウェブブラウザで http://localhost:8080/ にアクセスすると、アプリの動作を確認できます。

    --port オプションでカスタムポートを指定した場合は、そのポートでブラウザを開くようにしてください。

ローカル サーバーをコマンドラインから停止するには、次のキーを押します。

  • macOS または Linux: Control+C
  • Windows: Control+Break

アプリケーション ID の指定

メールアドレスのなりすましなどのために、ローカル サーバーでアプリ ID にアクセスする必要がある場合は、get_application_id() 関数を使用します。実行中のアプリのホスト名を取得するには、get_default_version_hostname() 関数を使用します。

アプリケーションのランタイム環境の検出

コードが本番環境またはローカルの開発用サーバーのどちらで実行されているかを確認するには、GAE_ENV 環境変数の値を調べます。

if os.getenv('GAE_ENV', '').startswith('standard'):
  # Production in the standard environment
else:
  # Local development server

ユーザー サービスの使用

App Engine には、アプリケーションの認証と承認を簡素化するための Users サービスが用意されています。ローカル開発用サーバーは、独自のログインページとログアウト ページで Google アカウントの動作をシミュレートします。ローカル開発用サーバーでの実行中、関数はローカル サーバー上の /_ah/login/_ah/logout の URL を返します。

メールの使用

ローカル開発用サーバーは、SMTP サーバーまたはローカルにインストールされた Sendmail を使用して、呼び出しのメールを App Engine のメールサービスに送信できます。

SMTP の使用

SMTP サーバーを使用してメールサポートを有効にするには、次のように dev_appserver.py を呼び出します。

dev_appserver.py --smtp_host=smtp.example.com --smtp_port=25 \
    --smtp_user=ajohnson --smtp_password=k1tt3ns [PATH_TO_YOUR_APP]

ここで、--smtp_host--smtp_port--smtp_user--smtp_password の各オプションに実際の値を設定します。

Sendmail の使用

Sendmail でメールサポートを有効にするには、次のように dev_appserver.py を呼び出します。

dev_appserver.py --enable_sendmail=yes [PATH_TO_YOUR_APP]

ローカル サーバーは sendmail コマンドを使用し、インストールのデフォルト構成に従ってメールのメッセージを送信します。

URL 取得の使用

アプリケーションが URL 取得 API を使用して HTTP リクエストを送信する場合、ローカル開発用サーバーはデベロッパーのコンピュータからリクエストを直接送信します。プロキシ サーバーを使用してウェブサイトにアクセスしている場合、ローカル サーバーでの URL 取得の動作は本番環境の App Engine と異なることがあります。