このページでは、Anthos clusters on VMware(GKE On-Prem)ユーザー クラスタ構成ファイルのフィールドについて説明します。
構成ファイルのテンプレートの生成
gkeadm
を使用して管理ワークステーションを作成した場合、gkeadm
によりユーザー クラスタの構成ファイル用のテンプレートが生成されます。また、gkeadm
によって一部のフィールドに入力されます。
管理ワークステーションの作成に gkeadm
を使用していない場合、gkectl
を使用してユーザー クラスタの構成ファイルのテンプレートを生成できます。
ユーザー クラスタの構成ファイルのテンプレートを生成するには:
gkectl create-config cluster --config=OUTPUT_FILENAME --gke-on-prem-version=VERSION
次のように置き換えます。
OUTPUT_FILENAME
: 生成されたテンプレートに対する任意のパス。このフラグを省略すると、gkectl
はファイルに user-cluster.yaml
という名前を付け、現在のディレクトリに配置します。
VERSION
: 目的のバージョン番号。例: gkectl create-config cluster --gke-on-prem-version=1.9.0-gke.8
。
テンプレート
構成ファイルの入力
次のセクションで説明するように、構成ファイルでフィールド値を入力します。
name
文字列。ユーザー クラスタの任意の名前。名前は次の条件を満たす必要があります。
- 最大文字数は 40 文字とする
- 小文字の英数字またはハイフン(
-
)のみを使用している - 先頭が英字である
- 末尾が英数字である
例:
name: "my-user-cluster"
gkeOnPremVersion
文字列。ユーザー クラスタ用の Anthos clusters on VMware のバージョン。次に例を示します。
gkeOnPremVersion: "1.9.0-gke.1"
vCenter
vCenter 環境のすべての要素を管理クラスタに指定したものと同じにする場合は、このセクションを削除するか、コメントアウトしたままにします。
vCenter 環境の一部を管理クラスタに対して指定したのとは異なるものにする場合は、このセクションの該当するフィールドに入力します。ここで vCenter
セクションで設定したフィールドにより、管理クラスタ構成ファイルの対応するフィールドがオーバーライドされます。
vCenter.datacenter
文字列。ユーザー クラスタの vCenter データセンターの名前。指定しない場合、クラスタは管理クラスタのデータセンターに作成されます。
次に例を示します。
vCenter: datascenter: "MY-USER-DATACENTER"
指定する場合は、vCenter.datastore
フィールドと vCenter.networkName
フィールドも追加し、vCenter.cluster
または vCenter.resourcePool
を指定する必要があります。別のデータセンターにユーザー クラスタを作成するをご覧ください。
vCenter.resourcePool
文字列。ユーザー クラスタの vCenter リソースプールの名前。デフォルト以外のリソースプールを使用している場合は、vCenter リソースプールの名前を指定します。次に例を示します。
vCenter: resourcePool: "MY-USER-POOL"
デフォルトのリソースプールを使用している場合は、次の値を指定します。
vCenter: resourcePool: "VSPHERE_CLUSTER/Resources"
VSPHERE_CLUSTER
は、vSphere クラスタの名前に置き換えます。
スタンドアロン ホストのルートリソース プールの指定をご覧ください。
指定しない場合や、vCenter.datacenter
を指定した場合は、vCenter.cluster
の値を指定する必要があります。
vCenter.datastore
文字列。ユーザー クラスタの vCenter データストアの名前。例:
vCenter: datastore: "MY-USER-DATASTORE"
vCenter.cluster
文字列。vSphere クラスタの名前。
次に例を示します。
vCenter: cluster: USER_VSPHERE_CLUSTER
vCenter.cluster
が指定されていない場合は、vCenter.resourcePool
の値を指定する必要があります。
vCenter.folder
文字列。vCenter.datacenter の下にあるフォルダの名前。
次に例を示します。
vCenter: folder: USER_FOLDER
vCenter.caCertPath
文字列。GKE On-Prem などのクライアントが vCenter Server にリクエストを送信すると、サーバーは、証明書または証明書バンドルを提示して、ID をクライアントに証明する必要があります。証明書またはバンドルを確認するには、GKE On-Prem に信頼チェーン内のルート証明書が必要です。
vCenter.caCertPath
をルート証明書のパスに設定します。次に例を示します。
vCenter: caCertPath: "/usr/local/google/home/me/certs/user-vcenter-ca-cert.pem"
ご使用の VMware インストレーションには、vCenter サーバーに証明書を発行する認証局(CA)があります。信頼チェーンのルート証明書は、VMware が作成した自己署名証明書です。
デフォルトの VMWare CA を使用しない場合は、別の認証局を使用するように VMware を構成できます。
vCenter Server でデフォルトの VMware CA が発行した証明書を使用している場合は、次のように証明書をダウンロードします。
curl -k "https://SERVER_ADDRESS/certs/download.zip" > download.zip
SERVER_ADDRESS
は、vCenter Server のアドレスに置き換えます。
unzip
コマンドをインストールし、証明書ファイルを解凍します。
sudo apt-get install unzip unzip downloads.zip
1 回の unzip
コマンドで解凍できない場合は、再度コマンドを入力します。
certs/lin
で証明書ファイルを探します。
証明書が変更された場合は、新しい証明書への参照を更新できます。
vCenter.credentials.fileRef.path
文字列。vCenter ユーザー アカウントのユーザー名とパスワードを保持する認証情報構成ファイルのパス。ユーザー アカウントには管理者ロールまたは同等の権限が必要です。vSphere の要件をご覧ください。次に例を示します。
vCenter: credentials: fileRef: path: "my-config-directory/user-creds.yaml"
vCenter.credentials.fileRef.entry
文字列。vCenter ユーザー アカウントのユーザー名とパスワードを保持する認証情報構成ファイルにある認証情報ブロックの名前。次に例を示します。
vCenter: credentials: fileRef: entry: "vcenter-creds"
vCenter.folder
文字列。クラスタ VM が配置される vCenter フォルダの名前。次に例を示します。
vCenter: folder: "MY-FOLDER"
network
このセクションには、ユーザー クラスタ ネットワークに関する情報が含まれます。
network.hostConfig
このセクションには、クラスタで使用される NTP サーバー、DNS サーバー、DNS 検索ドメインに関する情報が格納されます。
次のフィールドのどちらかまたは両方に値を指定した場合は、このセクションを入力します。それ以外の場合は、このセクションを削除します。
loadBalancer.seesaw.ipBlockFilePath
network.ipMode.ipBlockFilePath
network.hostConfig.dnsServers
文字列の配列。ホストが使用する DNS サーバーのアドレス。例:
network: hostConfig: dnsServers: - "172.16.255.1" - "172.16.255.2"
network.hostConfig.ntpServers
文字列の配列。ホストが使用する時刻サーバーのアドレス。例:
network: hostConfig: ntpServers: - "216.239.35.0"
network.hostConfig.searchDomainsForDNS
文字列の配列。ホストが使用する DNS 検索ドメイン。これらのドメインは、ドメイン検索リストの一部として使用されます。次に例を示します。
network: hostConfig: searchDomainsForDNS: - "my.local.com"
network.ipMode.type
文字列。クラスタノードが DHCP サーバーから IP アドレスを取得するようにするには、これを "dhcp"
に設定します。クラスタノードに、指定したリストから静的 IP アドレスを選択させる場合は、これを "static"
に設定します。例:
network: ipMode: type: "static"
network.ipMode.ipBlockFilePath
ipMode.type
を "static"
に設定した場合は、このフィールドに入力します。ipMode.type
を "dhcp"
に設定した場合は、このフィールドを削除します。
文字列。クラスタの IP ブロック ファイルのへのパス。例:
network: ipMode: ipBlockFilePath: "/my-config-folder/user-cluster-ipblock.yaml"
network.serviceCIDR
と network.podCIDR
文字列。ユーザー クラスタには、Service に使用する IP アドレスの範囲と Pod に使用する IP アドレスの範囲が必要です。これらの範囲は、network.serviceCIDR
フィールドと network.podCIDR
フィールドで指定します。これらのフィールドにはデフォルト値が入力されています。入力した値は、必要に応じて任意の値に変更できます。
Service の範囲が Pod の範囲と重複しないようにする必要があります。
Service と Pod の範囲は、クラスタ内から到達可能にする必要があるクラスタ外のアドレスと重複しないようにしてください。
たとえば、Service の範囲が 10.96.232.0/24、Pod の範囲が 192.168.0.0/16 であるとします。Pod からいずれかの範囲のアドレスに送信されたトラフィックは、クラスタ内として扱われ、クラスタ外の宛先に到達しません。
特に、Service と Pod の範囲が次の対象と重複しないようにする必要があります。
任意のクラスタ内に存在するノードの IP アドレス
ロードバランサ マシンで使用される IP アドレス
コントロール プレーン ノードとロードバランサで使用される VIP
vCenter Server、DNS サーバー、NTP サーバーの IP アドレス
Service と Pod の範囲は RFC 1918 アドレス空間にすることをおすすめします。
RFC 1918 アドレスを使用することが推奨される理由の 1 つは次のとおりです。Pod または Service の範囲に外部 IP アドレスが含まれているとします。Pod からそれらの外部アドレスのいずれかに送信されたトラフィックは、クラスタ内トラフィックとして扱われ、外部の宛先に到達しません。
例:
network: serviceCIDR: "10.96.0.0/20" podCIDR: "192.168.0.0/16"
network.vCenter.networkName
文字列。ユーザー クラスタ ノードの vSphere ネットワークの名前。
名前に特殊文字が含まれる場合は、エスケープ シーケンスを使用する必要があります。
特殊文字 | エスケープ シーケンス |
---|---|
スラッシュ(/ ) |
%2f |
バックスラッシュ(\ ) |
%5c |
パーセント記号(% ) |
%25 |
ネットワーク名が一意でない場合は、ネットワークのパス(/DATACENTER/network/NETWORK_NAME など)を指定できます。
次に例を示します。
network: vCenter: networkName: "MY-USER-CLUSTER-NETWORK"
loadBalancer
このセクションには、ユーザー クラスタのロードバランサに関する情報が含まれます。
loadBalancer.vips.controlPlaneVIP
ユーザー クラスタの Kubernetes API サーバー用にロードバランサ上に構成することを選択した IP アドレス。次に例を示します。
loadBalancer: vips: controlplaneVIP: "203.0.113.3"
loadBalancer.vips.ingressVIP
上り(内向き)トラフィック用にロードバランサで構成するために選択した IP アドレス。次に例を示します。
loadBalancer: vips: ingressVIP: "203.0.113.4"
loadBalancer.kind
文字列。"Seesaw"
、"F5BigIP"
、"ManualLB"
のいずれかに設定します。次に例を示します。
loadBalancer: kind: "Seesaw"
loadBalancer.manualLB
loadbalancer.kind
を "manualLB"
に設定した場合は、このセクションに入力します。それ以外の場合は、このセクションを削除するか、コメントアウトしたままにします。
loadBalancer.manualLB.ingressHTTPNodePort
整数。ユーザー クラスタ内の Ingress サービスは、LoadBalancer
型の Kubernetes Services として実装されます。この Service には、HTTP 用の ServicePort があります。HTTP ServicePorts の nodePort
値を選択する必要があります。
このフィールドに nodePort
値を設定します。例:
loadBalancer: manualLB: ingressHTTPNodePort: 32527
loadBalancer.manualLB.ingressHTTPSNodePort
整数。ユーザー クラスタ内の Ingress サービスは、LoadBalancer 型の Service として実装されます。この Service には HTTPS 用の ServicePort があります。HTTPS ServicePort の nodePort
値を選択する必要があります。
このフィールドに nodePort
値を設定します。例:
loadBalancer: manualLB: ingressHTTPSNodePort: 30139
loadBalancer.manualLB.controlPlaneNodePort
整数。管理クラスタの Kubernetes API サーバーは、NodePort
型の Service として実装されます。Service の nodePort
値を選択する必要があります。
このフィールドに nodePort
値を設定します。次に例を示します。
loadBalancer: manualLB: controlPlaneNodePort: 30968
loadBalancer.manualLB.addonsNodePort
このフィールドを削除します。ユーザー クラスタでは使用されません。
loadBalancer.f5BigIP
loadbalancer.kind
を "f5BigIP"
に設定した場合は、このセクションに入力します。それ以外の場合は、このセクションを削除するか、コメントアウトしたままにします。
loadBalancer.f5BigIP.address
文字列。F5 BIG-IP ロードバランサのアドレス。例:
loadBalancer: f5BigIP: address: "203.0.113.2"
loadBalancer.f5BigIP.fileRef.path
文字列。Anthos clusters on VMware が F5 BIG-IP ロードバランサへの接続に使用できるアカウントの、ユーザー名とパスワードを保持する認証情報構成ファイルのパス。
ユーザー アカウントには、ロードバランサの設定と管理を行うために十分な権限を持つユーザーロールが必要です。管理者ロールまたはリソース管理者ロールのどちらかで十分です。
例:
loadBalancer: f5BigIP: fileRef: path: ""my-config-folder/user-creds.yaml"
loadBalancer.f5BigIP.fileRef.entry
文字列。F5 BIG-IP アカウントのユーザー名とパスワードを保持する認証情報構成ファイルにある認証情報ブロックの名前。次に例を示します。
loadBalancer: f5BigIP: fileRef: entry: "f5-creds"
loadBalancer.f5BigIP.partition
文字列。管理クラスタ用に作成した BIG-IP パーティションの名前。例:
loadBalancer: f5BigIP: partition: "my-f5-admin-partition"
loadBalancer.f5BigIP.snatPoolName
文字列。SNAT を使用している場合は、SNAT プールの名前。SNAT を使用していない場合は、このフィールドを削除するか、コメントアウトしたままにします。例:
loadBalancer: f5BigIP: snatPoolName: "my-snat-pool"
loadBalancer.seesaw
loadbalancer.kind
を "Seesaw"
に設定した場合は、このセクションに入力します。それ以外の場合は、このセクションを削除します。
Seesaw ロードバランサの設定については、Seesaw ロードバランサのクイックスタートとSeesaw によるバンドル型負荷分散をご覧ください。
loadBalancer.seesaw.ipBlockFilePath
文字列。Seesaw VM の IP ブロック ファイルのパスに設定します。次に例を示します。
loadBalancer: seesaw: ipBlockFilePath: "config-folder/admin-seesaw-ipblock.yaml"
loadBalancer.seesaw.vrid
整数。Seesaw VM の仮想ルーター識別子。この 識別子(任意の整数)は VLAN 内で一意である必要があります。有効な範囲は 1~255 です。例:
loadBalancer: seesaw: vrid: 125
loadBalancer.seesaw.masterIP
文字列。マスター Seesaw VM に構成された仮想 IP アドレス。次に例を示します。
loadBalancer: seesaw: masterIP: 172.16.20.21
loadBalancer.seesaw.cpus
整数。各 Seesaw VM の CPU 数。例:
loadBalancer: seesaw: cpus: 8
loadBalancer.seesaw.memoryMB
整数。各 Seesaw VM のメモリの MiB 数。次に例を示します。
loadBalancer: seesaw: memoryMB: 8192
注: このフィールドは、メガバイト数ではなくメモリのメビバイト数を指定します。1 メビバイトは、2^20 = 1,048,576 バイトです。1 メガバイトは、10^6 = 1,000,000 バイトです。
loadBalancer.seesaw.vCenter.networkName
文字列。Seesaw VM を含む vCenter ネットワークの名前。例:
loadBalancer: seesaw: vCenter: networkName: "my-seesaw-network"
loadBalancer.seesaw.enableHA
ブール値。高可用性の Seesaw ロードバランサを作成する場合は、これを true
に設定します。それ以外の場合は false
に設定します。HA Seesaw ロードバランサは、VM の(マスター、バックアップ)ペアを使用します。次に例を示します。
loadBalancer: seesaw: enableHA: true
loadBalancer.seesaw.disableVRRPMAC
ブール値。この値を true
に設定すると、Seesaw ロードバランサはフェイルオーバーに MAC ラーニングを使用しません。代わりに、Gratuitous ARP を使用します。この値を false
に設定すると、Seesaw ロードバランサは MAC ラーニングを使用します。これを true
に設定することをおすすめします。vSphere 7 以降を使用していて、高可用性の Seesaw ロードバランサを使用している場合は、これを true
に設定する必要があります。次に例を示します。
loadBalancer: seesaw: disableVRRPMAC: true
enableDataplaneV2
ブール値。Dataplane V2 を有効にする場合は、true
に設定します。それ以外の場合は false
に設定します。次に例を示します。
enableDataplaneV2: true
Dataplane V2 はユーザー クラスタでのみ使用できます。
トラブルシューティングの手順については、Dataplane V2 のトラブルシューティングをご覧ください。
enableWindowsDataplaneV2
ブール値。プレビュー。
Windows ノードを持つクラスタで Windows Dataplane V2 を有効にする場合は、これを true
に設定します。それ以外の場合は false
に設定します。次に例を示します。
enableWindowsDataplaneV2: true
Windows Dataplane V2 はユーザー クラスタでのみ使用できます。
トラブルシューティングの手順については、Dataplane V2 のトラブルシューティングをご覧ください。Windows Server OS ノードを含むノードプールを設定するには、Windows Server OS ノードプールのユーザーガイドをご覧ください。
enableAnthosNetworkGateway
ブール値。プレビュー。
Anthos ネットワーク ゲートウェイを有効にする場合は、これを true
に設定します。それ以外の場合は、false
に設定します。下り(外向き)NAT ゲートウェイを構成する場合は、true
に設定する必要があります。例:
enableAnthosNetworkGateway: true
masterNode
このセクションには、ユーザー クラスタのコントロール プレーン ノードとして機能する管理クラスタ内のノードに関する情報が含まれます。
masterNode.vsphere.datastore
文字列。このユーザー クラスタのユーザー コントロール プレーン ノードのデータストア。例:
masterNode: vsphere: datastore: USER_MASTER_DATASTORE
指定しない場合、ユーザー クラスタで管理クラスタ データセンターを使用するときに、デフォルトでこの値がユーザー クラスタ データストアに設定されます。
ユーザー クラスタで別のデータセンターを使用している場合、このフィールドは必須であり、デフォルトは適用されません。
masterNode.cpus
整数。このユーザー クラスタのコントロール プレーンとして機能する各管理クラスタノードの CPU 数。例:
masterNode: cpus: 8
masterNode.memoryMB
整数。このユーザー クラスタのコントロール プレーンとして機能する各管理クラスタノードのメモリのメビバイト数。4 の倍数である必要があります。次に例を示します。
masterNode: memoryMB: 8192
注: このフィールドは、メガバイト数ではなくメモリのメビバイト数を指定します。1 メビバイトは、2^20 = 1,048,576 バイトです。1 メガバイトは、10^6 = 1,000,000 バイトです。
masterNode.replicas
整数。このユーザー クラスタのコントロール プレーン ノードの数。このフィールドに 1 または 3 を設定します。次に例を示します。
masterNode: replicas: 3
masterNode.autoResize.enabled
ブール値。true
に設定すると、ユーザー クラスタのコントロール プレーン ノードのサイズが自動的に変更されます。ユーザー クラスタのコントロール プレーン ノードは管理クラスタにあることに注意してください。次に例を示します。
masterNode: autoResize: enabled: true
masterNode.vsphere.datastore
文字列。マスターノードが作成されるデータストア。例:
masterNode: vSphere: datastore: "MY-DATASTORE"
nodePools
オブジェクトの配列。各オブジェクトはノードプールを表します。
nodePools[i].name
文字列。ノードプールに付ける名前。名前は次の条件を満たす必要があります。
- 最大文字数は 40 文字とする
- 小文字の英数字またはハイフン(
-
)のみを使用している - 先頭が英字である
- 末尾が英数字である
例:
nodePools: - name: "my-node-pool"
nodePools[i].cpus
整数。プール内の各ノードの CPU 数。例:
nodePools" - name: "my-node-pool" cpus: 8
nodePools[i].memoryMB
整数。プール内の各ノードのメモリ容量(MiB)。4 の倍数である必要があります。次に例を示します。
nodePools" - name: "my-node-pool" memoryMB: 8192
注: このフィールドは、メガバイト数ではなくメモリのメビバイト数を指定します。1 メビバイトは、2^20 = 1,048,576 バイトです。1 メガバイトは、10^6 = 1,000,000 バイトです。
nodePools[i].replicas
整数。プール内のノード数。次に例を示します。
nodePools: - name: "my-node-pool" replicas: 5
nodePools[i].bootDiskSizeGB
整数。プール内の各ノードのブートディスクのサイズ(ギガバイト単位)。この構成は、Anthos clusters on VMware バージョン 1.5.0 以降で利用できます。次に例を示します。
nodePools - name: "my-node-pool" bootDiskSizeGB: 40
nodePools[i].osImageType
文字列。ノードプール内の VM で実行する OS イメージのタイプ。有効な値は、「ubuntu_containerd」、「ubuntu」、「cos」です。次に例を示します。
nodePools - name: "my-node-pool" osImageType: "ubuntu_containerd"
nodePools[i].labels
マッピング。プール内の各ノードに適用するラベル。例:
nodePools: - name: "my-node-pool" labels: environment: "production" tier: "cache"
nodePools[i].taints
オブジェクトの配列。各オブジェクトは taint を表します。次に例を示します。
nodePools: - name: "my-node-pool" taints: - key: "staging" value: "true" effect: "NoSchedule"
nodePools[i].vsphere.datastore
文字列。プール内の各ノードが作成される vCenter データストアの名前。次に例を示します。
nodePools: - name: "my-node-pool" vsphere: datastore: "my-datastore"
nodePools[i].vsphere.tags
オブジェクトの配列。それぞれ、ノードプール内の VM に配置される vSphere タグを表します。各タグにはカテゴリと名前があります。例:
nodePools: - name: "my-node-pool" vsphere: tags: - category: "purpose" name: "testing"
ノードプール内のすべての VM にタグを追加する場合は、vCenter ユーザー アカウントに次の vSphere のタグ付け権限が必要です。
- vSphere Tagging.Assign または vSphere タグ付け解除
- vSphere Tagging.Assign またはオブジェクトに対する vSphere タグ付け解除(vSphere 7)
nodePools[i].autoscaling
プレビュー。
ノードプールの自動スケーリングを有効にする場合は、このセクションに入力します。それ以外の場合は、このセクションを削除します。
nodePools[i].autoscaling.minReplicas
整数。オートスケーラーがプールに対して設定できるノードの最小数。1 以上にしてください。次に例を示します。
nodePools: - name: "my-node-pool" autoscaling: minReplicas: 5
nodePools.autoscaling.maxReplicas
整数。オートスケーラーがプールに対して設定できるノードの最大数。
nodePools: - name: "my-node-pool" autoscaling: maxReplicas: 10
antiAffinityGroups.enabled
ブール値。DRS ルールの作成を有効にするには、この値を true
に設定します。それ以外の場合は false
に設定します。次に例を示します。
antiAffinityGroups: enabled: true
VMware の Anthos クラスタはユーザー クラスタのノードに対して VMware Distributed Resource Scheduler(DRS)の反アフィニティ ルールを自動的に作成し、データセンター内の少なくとも 3 つの物理ホストにそれを分散させます。
この機能を使用するには、vSphere 環境が次の条件を満たしている必要があります。
VMware DRS が有効になっていること。VMware DRS には、vSphere Enterprise Plus ライセンス エディションが必要です。
vSphere ユーザー アカウントに
Host.Inventory.Modify cluster
権限があること。利用可能な物理ホストが少なくとも 3 つあること。
前述のとおり、vSphere スタンダード ライセンスがある場合、VMware DRS を有効にすることはできません。
DRS が有効になっていない場合や、vSphere VM をスケジュール設定できるホストが 3 つ以上ない場合は、antiAffinityGroups.enabled
を false
に設定します。
enableVMTracking
enableVMTracking: true
authentication
このセクションには、クラスタ ユーザーの認証方法と認可方法に関する情報が含まれます。
authentication.oidc
このセクションは使用しないでください。代わりに、クラスタの作成後に、OIDC による Anthos Identity サービス用のクラスタの構成 の説明に従って ClientConfig カスタム リソースを編集します。
authentication.sni
クラスタの Kubernetes API サーバーに追加のサービス証明書を提供する場合は、このセクションに入力してください。それ以外の場合は、このセクションを削除するか、コメントアウトしたままにします。
authentication.sni.certPath
文字列。Kubernetes API サーバーのサービス証明書のパス。例:
authentication: sni: certPath: "my-cert-folder/example.com.crt"
authentication.sni.keyPath
文字列。証明書の秘密鍵ファイルのパス。次に例を示します。
authentication: sni: keyPath: "my-cert-folder/example.com.key"
stackdriver
クラスタに対して Cloud Logging と Cloud Monitoring を有効にする場合は、このセクションに入力します。それ以外の場合は、削除するか、コメントアウトしたままにします。
stackdriver.projectID
文字列。ログを表示する Google Cloud プロジェクトの ID。例:
stackdriver: projectID: "my-logs-project"
stackdriver.clusterLocation
文字列。ログを保存する Google Cloud リージョン。お使いのオンプレミス データセンターの近くのリージョンを選択することをおすすめします。例:
stackdriver: clusterLocation: "us-central1"
stackdriver.enableVPC
ブール値。クラスタのネットワークが VPC によって制御されている場合は、このフィールドに true
を設定します。これにより、すべてのテレメトリーが Google の制限された IP アドレスを通過するようになります。それ以外の場合は、このフィールドに false
を設定します。例:
stackdriver: enableVPC: false
stackdriver.serviceAccountKeyPath
文字列。ロギング モニタリング サービス アカウントの JSON 鍵ファイルのパス。次に例を示します。
stackdriver: serviceAccountKeyPath: "my-key-folder/log-mon-key.json"
stackdriver.disableVsphereResourceMetrics
ブール値。これを true
に設定すると、vSphere からの指標の収集が無効になります。それ以外の場合は、false
に設定します。次に例を示します。
stackdriver: disableVsphereResourceMetrics: true
gkeConnect
このセクションでは、Google Cloud フリートにクラスタを登録するために使用する Google Cloud プロジェクトとサービス アカウントに関する情報が含まれます。
このセクションは必須です。
gkeConnect.projectID
文字列。フリート ホスト プロジェクトの ID。次に例を示します。
gkeConnect: projectID: "my-connect-project-123"
gkeConnect.registerServiceAccountKeyPath
文字列。接続登録サービス アカウントの JSON 鍵ファイルのパス。次に例を示します。
gkeConnect: registerServiceAccountKeyPath: "my-key-folder/connect-register-key.json"
usageMetering
クラスタの使用状況の測定を有効にする場合は、このセクションに入力します。それ以外の場合は、このセクションを削除するか、コメントアウトしたままにします。
usageMetering.bigQueryProjectID
文字列。使用状況の測定データを保存する Google Cloud プロジェクトの ID。例:
usageMetering: bigQueryProjectID: "my-bq-project"
usageMetering.bigQueryDatasetID
文字列。使用状況の測定データを格納する BigQuery データセットの ID。例:
usageMetering: bigQueryDatasetID: "my-bq-dataset"
usageMetering.bigQueryServiceAccountKeyPath
文字列。BigQuery サービス アカウントの JSON 鍵ファイルのパス。例:
usageMetering: bigQueryServiceAccountKeyPath: "my-key-folder/bq-key.json"
usageMetering.enableConsumptionMetering
ブール値。使用量をベースとした測定を有効にするには、これを true
に設定します。それ以外の場合は false に設定します。次に例を示します。
usageMetering: enableConsumptionMetering: true
cloudAuditLogging
クラスタの Kubernetes API サーバーの監査ログを Cloud Audit Logs と統合する場合は、このセクションに入力します。それ以外の場合は、このセクションを削除するか、コメントアウトしたままにします。
cloudAuditLogging.projectID
文字列。監査ログを保存する Google Cloud プロジェクトのプロジェクト ID。例:
cloudAuditLogging: projectID: "my-audit-project"
cloudAuditLogging.clusterLocation
文字列。監査ログを保存する Google Cloud のリージョン。お使いのオンプレミス データセンターの近くのリージョンを選択することをおすすめします。例:
cloudAuditLogging: clusterLocation: "us-central1"
cloudAuditLogging.serviceAccountKeyPath
文字列。監査ログ サービス アカウントの JSON 鍵ファイルのパス。次に例を示します。
cloudAuditLogging: serviceAccountKeyPath: "my-key-folder/audit-log-key.json"
autoRepair.enabled
ブール値。ノードの自動修復を有効にするには、これを true
に設定します。それ以外の場合は、false
に設定します。次に例を示します。
autoRepair: enabled: true
secretsEncryption
外部 KMS(鍵管理サービス)や他の依存関係を使用せずにシークレットを暗号化する場合は、このセクションを必ず入力します。それ以外の場合は、このセクションを削除するか、コメントアウトします。
secretsEncryption.mode
文字列。シークレットの暗号化モード。"GeneratedKey"
に設定します。
secretsEncryption: mode: "GeneratedKey"
secretsEncryption.generatedKey.keyVersion
整数。鍵のバージョン番号に使用するために選んだ整数。1
から始めることをおすすめします。次に例を示します。
secretsEncryption: generatedKey: keyVersion: 1