Seesaw ロードバランサの設定

GKE On-Prem は、統合、手動、バンドル型の 3 つの負荷分散モードのいずれかで実行できます。このトピックでは、バンドル型負荷分散モードで稼働するように GKE On-Prem を構成する方法について説明します。

バンドル型負荷分散モードでは、GKE On-Prem がロードバランサの提供と管理をします。ロードバランサにライセンスを割り当てる必要はありません。必要なセットアップ作業は最小限に抑えられます。

GKE On-Prem が提供するバンドル型ロードバランサは、Seesaw ロードバランサです。

このガイドでは、可用性の低い Seesaw ロードバランサを作成する準備を行います。そのため、基本的なインストール手順はシンプルなままです。可用性の高い Seesaw ロードバランサの作成方法など、バンドルされた Seesaw ロードバランサの設定方法の詳細については、Seesaw にバンドルされた負荷分散をご覧ください。

バンドル型負荷分散モードには、vSphere 6.7 と Virtual Distributed Switch(VDS)6.6 の使用を強くおすすめします。

必要に応じて、以前のバージョンを使用することもできますが、インストールの安全性は低下します。このトピックの残りのセクションでは、vSphere 6.7 と VDS 6.6 を使用する際のセキュリティ上の利点について詳しく説明します。

VLAN の計画

このガイドでは、管理クラスタとユーザー クラスタを作成します。別々の VLAN 上に 2 つのクラスタを用意することを強くおすすめします。

仮想 IP アドレスの確保

負荷分散に使用する複数の仮想 IP アドレス(VIP)を確保する必要があります。この VIP により、外部クライアントは Kubernetes サーバーと Ingress Service にアクセスできます。

管理クラスタの VIP セットとユーザー クラスタの VIP セットを確保する必要があります。任意のクラスタの VIP は、クラスタノードとそのクラスタの Seesaw VM と同じ VLAN 上にある必要があります。

VIP の確保の手順については、仮想 IP アドレスの確保をご覧ください。

ノード IP アドレスの確保

このガイドでは、クラスタノードに静的 IP アドレスを使用します。管理クラスタ内のノードとユーザー クラスタ内のノード用に十分なアドレスを確保します。確保するノード IP アドレスの数の詳細については、静的 IP アドレスの構成をご覧ください。

Seesaw VM の IP アドレスの確保

次に、Seesaw ロードバランサを実行する VM の IP アドレスを確保します。

管理クラスタでは、Seesaw VM 用に 1 個の IP アドレスを確保します。また、管理クラスタには、Seesaw ロードバランサのコントロール プレーンの IP アドレスも設定します。これらのアドレスは両方とも、管理クラスタノードと同じ VLAN 上にある必要があります。

ユーザー クラスタでは、Seesaw VM 用に 1 個の IP アドレスを確保します。また、ユーザー クラスタには、Seesaw ロードバランサのコントロール プレーンの IP アドレスも設定します。これらのアドレスは両方とも、ユーザー クラスタノードと同じ VLAN 上にある必要があります。

ポートグループの計画

Seesaw VM ごとに 2 つのネットワーク インターフェースがあります。これらのネットワーク インターフェースの 1 つはサービス VIP で構成されています。もう 1 つのネットワーク インターフェースは、VM 自体の IP アドレスで構成されています。

個々の Seesaw VM では、2 つのネットワーク インターフェースを同じ vSphere ポートグループに接続することも、別々のポートグループに接続することもできます。ポートグループが別々の場合は、同じ VLAN 上にある必要があります。

このトピックでは、次の 2 つのポートグループを参照します。

  • ロードバランサ ポートグループ: Seesaw VM の場合、サービス VIP で構成されたネットワーク インターフェースがこのポートグループに接続されます。

  • クラスタノード ポートグループ: Seesaw VM では、VM 自体の IP アドレスで構成されたネットワーク インターフェースが、このポートグループに接続されます。GKE On-Prem クラスタノードもこのポートグループに接続されます。

ロードバランサ ポートグループとクラスタノード ポートグループは同じものにできます。ただし、これらは別々にすることを強くおすすめします。

hostconfig ファイルの作成

2 つのクラスタのそれぞれについて、Seesaw VM 用に選択したアドレスを hostconfig ファイルで指定します。この hostconfig ファイルは、クラスタノードではなく、ロードバランサ VM 用です。後で、クラスタノード用に別の hostconfig ファイルを作成します。次に、Seesaw VM の IP アドレスを指定する hostconfig ファイルの例を示します。

hostconfig:
  dns: "110.116.232"
  tod: "192.138.210.214"
  otherdns:
  - "8.8.8.8"
  - "8.8.4.4"
  othertod:
  - "ntp.ubuntu.com"
  searchdomainsfordns:
  - "my.local.com"
blocks:
  - netmask: "255.255.255.0"
    gateway: "172.16.20.1"
    ips:
    - ip: "172.16.20.18"
      hostname: "seesaw-vm"